大阪の「止めの祭り」の神農祭の宵宮が22日、「ご鎮座240年式年祭」として大阪道修町の少彦名神社で厳かに斎行され、新型コロナウイルス退散と人々の健康増進、医学・薬業の発展が祈念された。
今年のご鎮座240年記念神農祭は、コロナ禍の折、できるだけ密集を回避し、120件以上にもなる道修町通りの露店も取りやめられた。さらに、大阪家庭薬協会のくすりのゆるキャライベントも中止するなど、「神農祭新型コロナウイルス対策ガイドライン」の下、“安全第一”で斎行された。その一方で、虎の笹を求めて「健康促進やコロナ退散」を願うたくさんの参拝者の熱意は、例年にも増して満ち溢れていた。
ご鎮座240年の式年祭となった今年の神農祭の祭典委員長は多田正世氏(大日本住友製薬代表取締役会長)、副祭典委員長は吉田裕司氏(イヌイ代表取締役社長)が務める。
午前10時より斎行された祭典には、塩野元三薬祖講講長(塩野義製薬特別顧問)、多田祭典委員長、吉田副祭典委員長、同神社総代、薬祖講評議員ら約30人が参列。修祓、祝詞奏上、お神楽、玉櫛奉奠、撤饌などの神事が行われ、「新型コロナウイルス退散と医薬・薬業の発展」を祈願し、二日間の祭りがスタートした。
塩野薬祖講講長は、「少彦名神社は、疫病退散・無病息災などの神徳や設立理念から、“安全対策を最優先とした大祭開催”を基本的な考えとしてきた」と明言。その上で、「新型コロナウイルス退散・感染収束を祈願されるたくさんの参拝者の皆さんの思いが通じて、世界中の新型コロナウイルス拡散が完全に鎮まることを期待したい」と訴求した。
本祭の23日には、大阪薬業クラブで道修町文化講演会が開催され、森下竜一氏(大阪大学大学院医学系研究科 臨床遺伝子治療学寄附講座教授)が「新型コロナウイルスと大阪ワクチンの進捗状況」をテーマに講演する。なお、コロナ禍の折、同講演は無参加者で行われ、後日、全内容がユーチューブでネット配信される。