大日本住友製薬は22日、非定型抗精神病薬「ロナ セン錠」(一般名ブロナンセリン)の小児における統合失調症を対象としたP3 試験の主要評価項目で良好な解析結果を得たと発表した。
同試験は、小児(12~18歳)の国内統合失調症患者 151 名を対象とした多施設共同、プラセボ対照、ランダム化、二重盲検、並行群間比較試験で、ロナセン8mg/日投与群(51 名)、16mg/日投与群 (53 名)またはプラセボ投与群(47 名)に分け、6 週間投与したときのロナセンの有効性および安全性を検討したもの。 同試験の結果、主要評価項目である投与6週間後の陽性・陰性症状評価尺度(PANSS:Positive and Negative Syndrome Scale)合計スコアのベースラインからの変化量において、主要な解析対象集団 (FAS: Full Analysis Set、150 名)で、ロナセン16mg/日投与群(52 名)は、プラセボ投与群(47 名)に対し、統 計学的に有意な改善を示しました。
ロナセン 8mg/日投与群(51名)はプラセボ投与群に対し改善を示したものの、統計学的有意差はなかった。
有害事象の発現割合は、ロナセン8mg/日投与群:84.3%、16mg/日投与群:92.5%、プラセボ投与群: 70.2%で、ロナセン投与群での有害事象は全般的に軽度から中等度であった。
また、中止に至った有害事象の発現割合はロナセン8mg/日投与群:9.8%、16mg/日投与群:11.3%、プラセボ投与群:6.4%となり、同剤の忍容性が確認された。
大日本住友製薬は、同試験の結果に基づき、2020 年度上期にロナセンの日本における小児統合失調症に対する適応追加承認申請を行う。同剤が承認されれば、日本で初めての小児適応を持つ非定型抗精神病薬となる。