塩野義製薬は14日、新型コロナ感染症経口治療薬「ゾコーバ」について、グローバルP3 相曝露後発症予防試験(SCORPIO-PEP試験)において、新型コロナウイルス曝露後における新型コロナ感染症発症リスクを減少させることが示されたと発表した。同結果は、「The New England Journal of Medicine」に掲載された。
SCORPIO‑PEP試験は、ゾコーバを曝露後発症予防(PEP)の目的で使用した際の有効性・安全性を評価することを目的としたグローバルP3試験である。新型コロナ感染症、新型コロナ感染症発症患者の同居家族、または共同生活者2041 例を対象として、米国、南米、アフリカ、日本を含むアジアで実施された。
主要解析対象集団(n=2041)において、投与後10 日目までに新型コロナ感染症を発症した被験者の割合は、ゾコーバ群では2.9%、プラセボ群は9.0%であり、ゾコーバ群はプラセボ群に対して、新型コロナ感染症の発症割合を統計学的に有意に67%低下させた(リスク比:0.33;95%信頼区間:0.22-0.49; p<0.0001)。
同結果により、エンシトレルビルは早期にウイルスの増殖を抑制することで、新型コロナウイルス曝露後における新型コロナ感染症の発症リスクを減少させることが示された。また、重症化リスク因子を有する被験者を対象としたサブグループ解析においても、投与後10日目までに新型コロナ感染症を発症した割合は、ゾコーバ群では2.4%、プラセボ群では9.9%であり、ゾコーバ群はプラセボ群に対して、新型コロナ感染症の発症割合を76%低減させた(リスク比:0.24、95%CI:0.12– 0.49)。
さらに、ゾコーバの忍容性は良好であり、有害事象の発現率はゾコーバ群とプラセボ群で同程度であった。
発現頻度が1%以上であった主な有害事象は、頭痛、下痢、鼻咽頭炎、咳、疲労、インフルエンザであった。
新型コロナ感染症は、現在もなお公衆衛生上の重大な課題である。新型コロナ感染症の予防においてはワクチン接種が基本とされている。だが、接種率の低さや接種後の免疫効果が時間の経過とともに減弱することに加え、新たな変異株が出現する可能性を考慮すると、ワクチン接種のみでウイルス感染や発症、重症化を完全に抑制することは困難である。
こうした中、新型コロナ感染症患者と接触したヒトへの抗ウイルス薬の予防投与は、特に重症化リスク因子を有する人において、新型コロナ感染症予防の重要な選択肢の一つとなる。
