肥満症のP2試験は予定通り継続
中外製薬は23日、ロシュ社が開発中の抗潜在型ミオスタチンスイーピング抗体「エムグロブラート」(GYM329)について、脊髄性筋萎縮症(SMA)および顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHD)を対象とした臨床開発を中止すると発表した。
同決定は、SMAを対象としたP2/3相MANATEE試験(パート1)およびFSHDを対象としたP2相MANOEUVRE試験のデータの評価に基づくもの。
エムグロブラートは、成熟型ミオスタチンの減少により標的への薬理作用が示唆されたものの、期待された運動機能改善には結びつかなかった。
具体的には、試験参加者全体にわたって筋肉量の増加および探索的な有効性として評価した運動機能の改善に、一貫性や堅牢性が認められず、SMAおよびFSHDにおけるP3試験へ進むための、十分な確証を得るには至らなかった。
両試験を通じてeエムグロブラートの忍容性は良好であり、重篤な有害事象や投与中止は認められなかった。今回の2つの適応症における開発中止は、安全性への懸念に起因するものではない。
肥満症を対象としたエムグロブラートの臨床試験を継続する科学的根拠は引き続き支持されており、同決定は肥満症を対象としたエムグロブラートの開発に影響を与えるものではない。
肥満症は慢性代謝疾患であり、その症状や根本原因はSMAやFSHDなどの神経筋疾患とは根本的に異なる。肥満症では、筋肉の質は神経変性(神経の消耗)やミオパチー(筋肉の消耗)の過程による影響を主として受けることはなく、抗ミオスタチン抗体が作用しうるミオスタチンが一般的により多く存在する。従って、肥満症を対象としたP2試験は予定通り継続する。
なお、同件が、2026年12月期の連結業績予想に与える影響はない。

