英国拠点に抗体医薬品の原薬製造棟開設 富士フイルム

増設した原薬製造棟

 富士フイルム子会社でバイオ医薬品開発・製造受託会社のフジフイルム バイオテクノロジーズは12日、英国拠点に抗体医薬品の原薬製造棟を開設したと発表した。英国拠点において総額約4億ポンド(約839億円)を投資し建設を進めていた抗体医薬品の原薬製造棟およびプロセス開発ラボの開所式を、現地時間の11日に実施した。稼働時期は、2026年前半を予定している。
 今回の製造棟とプロセス開発ラボ増設により、同拠点で生産プロセス開発から、治験薬製造、商業生産まで一貫して担い、顧客を包括的に支援できる体制を強化する。
 この増設により、フジフイルム バイオテクノロジーズ英国拠点は、英国最大のバイオ医薬品のCDMO拠点となる。
 今回、英国の既存拠点に増設した原薬製造棟は、2026年前半の稼働開始を予定している。世界最大級のシングルユース仕様の5000リットルや2000リットルの動物細胞培養タンクを含む、総容量1万9000リットルの設備を有している。広いスペースを確保しているため、顧客の要望に応じてタンクを増設し、迅速かつ柔軟に生産能力を拡張できる。
 また、GMP基準に基づいた原薬の培養から精製までの連続生産が可能な設計になっている。今回導入した当社独自開発の精製装置「SymphonX(シンフォンエックス)」は、連続製造およびバッチ製造の双方に対応できる設計で、顧客ニーズに応じて柔軟に生産方法を切り替えての製造が可能だ。
 なお、同製造棟では、従来燃料としてガスを使用していた製造プロセスをすべて電化し、今後再生可能エネルギー電力を最大限に活用していく。
 併せて増設した「バイオプロセス イノベーション センター ユーケー(BIC UK)」は、様々な条件を設定した実験を迅速に検証できる設備を備え、迅速で効率的なプロセス開発が進められ、連続生産にも対応した最先端のプロセス開発ラボだ。GMPに基づく品質管理機能を強化し、当社のプロセス開発分野における技術や最先端の設備を集約したグローバルの中核拠点である。
 また、今回の英国投資では、設備や品質管理システムを共通化する「kojoX」アプローチを中小規模製造拠点で初めて採用。27年中の稼働を予定している富士フイルム富山化学のバイオ医薬品のCDMO工場(日本・富山)と同様の設備や品質管理システム導入により、両拠点間での迅速な技術移管や建設のリードタイムの短縮を実現する。

オフィス棟(左)と増設したプロセス開発ラボ(右)
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