大塚製薬は21日、「Dawnzera」(一般名:ドニダロルセン)について、欧州委員会(EC)から、遺伝性血管性浮腫(HAE)発作抑制薬として販売承認を取得したと発表した。対象は、成人および12歳以上の青年を対象としたHAEの再発予防。
同承認は、昨年11月に医薬品委員会(CHMP)が示した販売承認勧告に基づいており、欧州連合(EU)加盟27カ国に加え、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーにも適用される。
ドニダロルセンは、米国アイオニス社が臨床開発を進めており、米国では2025年8月に承認され、既に上市されている。大塚製薬は、2023年に欧州におけるドニダロルセンの独占的販売権をアイオニス社から取得するライセンス契約を締結。さらに2024年には、日本を含むアジア地域を対象エリアに追加する契約を締結している。
大塚製薬は、希少疾患領域における専門性とグローバルな商業基盤を活かし、今後の市場導入に向けた準備をアイオニス社と連携しながら進めている。
ドニダロルセンはHAE患者を対象とした、初の RNAを標的とする治療薬で、肝臓におけるプレカリクレイン(PKK)の産生を特異的に抑制し、HAE発作につながる経路を遮断する。
HAEは、慢性的かつ生命を脅かす可能性のある稀な遺伝性疾患であり、四肢、顔面、腹部、性器、さらには喉頭にまで影響を及ぼす、再発性かつ予測困難な腫脹発作を伴う。HAE患者の約半数は10歳までに初回の症状が現れ、さらに大多数が18歳までに症状の出現または初回発作を経験すると報告されている。
HAE患者では、不安や抑うつが一般的にみられますが、これは発作の予測不能性や頻度、重症度に起因することが多いとされている。
今回の承認は、ドニダロルセン80mgを4週間ごとまたは8週間ごとに投与し、有効性と安全性をプラセボと比較した二重盲検・無作為化P3試験(OASIS-HAE試験、n=90)の結果に基づくもの。
OASIS-HAE試験では、ドニダロルセン80mgを4週間ごとに24週間にわたり投与した群で、4週間あたりのHAE平均発作回数がプラセボ群と比較して81%低減し、主要評価項目を達成した。(平均発作回数:0.44 vs 2.26)。
また、ドニダロルセン80mgを8週間ごとに24週間にわたり投与した群では、4週間あたりのHAE平均発作回数がプラセボ群と比較して55%低減した。(平均発作回数:1.02 vs 2.26)。
HAEの疾患コントロール状況を評価するAngioedema Control Test(AECT)では、24週時点において、4週間ごとに投与した群の91%が「疾患コントロール良好」と判定されたのに対し、プラセボ群は41%であった。
QOLを評価するAngioedema Quality of Life(AE-QoL) Questionnaireでは、24週時点において、4週間ごとに投与した群の総スコアの平均値がベースラインから24.8ポイント改善するなど、QOLの向上が示された。
安全性については、重大な懸念は認められず、4週間ごとに投与した群と8週間ごとに投与した群で有害事象のプロファイルは類似していた。ドニダロルセン投与群で最も多く報告された有害事象は、注射部位反応、肝酵素上昇、過敏症(アナフィラキシーを含む)であった。
◆Andy Hodge大塚ファーマシューティカルヨーロッパ CEOのコメント
ドニダロルセンの欧州委員会による承認は、難治性の希少疾患に関わる未充足の医療ニーズの解消を目指して大塚製薬とアイオニス社が取り組んできた協業の中で、重要なマイルストーンとなるものである。

