「心・血管修復パッチ」 第8回日本医療研究開発大賞で健康・医療戦略担当大臣賞受賞 大阪医科薬科大学

心・血管修復パッチ

 大阪医科薬科大学は19日、帝人、福井経編興業と共同開発した心・血管修復パッチ「シンフォリウム」が、第8回日本医療研究開発大賞「健康・医療戦略担当大臣賞」を受賞したと発表した。
 日本医療研究開発大賞は、日本のみならず世界の医療の発展に向けて、医療分野の研究開発の推進に多大な貢献を果たした事例に対して功績を称えるもので、国民の関心と理解を深めるとともに、研究者などのインセンティブの向上を目的に2017年度から設けられている。中でも「健康・医療戦略担当大臣賞」は、特に顕著な功績が認められる事例に対して授与される。

1月16日に開催された授賞式の様子

 今回の受賞テーマは「心臓病の手術を受ける子どもたちと共に生きるハイブリッドニット」で、先天性心疾患の治療における「再手術のリスク低減」という世界初のコンセプトを着想した大阪医科薬科大学の根本慎太郎教授を筆頭に、帝人、福井経編興業の三者で受賞した。表彰式は、16日に首相官邸で開催された。
 心・血管修復パッチ「シンフォリウム」を、事業化から逆算した開発計画と産学官連携により上市を実現し、さらに海外展開も進めている点が評価された。
 また、社会的必要性が高い一方で、収益性の低さや高度な技術が求められるなどの理由から敬遠されがちな小児医療機器開発において、先導的な役割が期待できることも高く評価された。
 心・血管修復パッチ「シンフォリウム」は、先天性心疾患の手術で使用される医療機器である。吸収性の糸と非吸収性の糸で編んだ特殊な構造のニットに、吸収性の架橋ゼラチン膜を一体化させている。
 手術によって心臓や血管に縫着された後、まず架橋ゼラチン膜が、次に吸収性の糸が徐々に分解され、その間に非吸収性の糸を含むように自己の組織が形成される。これにより、先天性心疾患の外科手術後に生じる材料の劣化や、成長に伴うサイズのミスマッチといった課題の解決が期待されている。
 今後も三者は、未解決の医療課題の解決に向けて、それぞれの技術や知見を持ち寄りながら、心・血管修復パッチ「シンフォリウム」のプレゼンス向上と、新たな医療機器の開発を通じて、社会へのさらなる貢献を目指していく。

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