
日本イーライリリー は19日、10月8日に埼玉県上尾市、メディパルホールディングスとの協労で上尾中央総合病院で開催した医療従事者を対象としたヤングケアラーに関する認知啓発セミナーの総括を発表した。
同セミナーは、医療業界におけるヤングケアラーの理解促進を目的とした取り組みの一つであり、行政(上尾市)と民間企業が協働することで実現したもの。
ヤングケアラーとは、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っているこどものを意味する。ヤングケアラー支援に積極的な上尾市は、全国に先駆けて「ヤングケアラーコーディネーター」を設置し、地域での支援体制を強化している。
メディパルグループでは、社会貢献活動に関する方向性を取りまとめた「社会貢献への思い」の中で重点テーマとして「3つの約束」を掲げています。その一つである「未来の子どもたち」のテーマに基づいた活動の一環として、日本イーライリリーとメディパルはヤングケアラー支援に関するパートナリングに関する覚書を締結し、医療業界におけるヤングケアラー理解促進に向けた取り組みを展開している。
日本イーライリリーならびにメディパルおよびメディセオは、医療機関がヤングケアラーの早期発見・支援において当事者との重要な接点の一つであるという認識のもと、今回、全国に先駆けて「ヤングケアラーコーディネーター」の設置などの支援体制強化活動を通じた専門知見を有する上尾市と連携し、同セミナーを開催した。セミナーでは、医療現場において早期にヤングケアラーを認知し、支援機関へ適切につなげていくために、それぞれの専門知見を融合させるとともに医療現場での実践に資する知識共有を行った。
今回のセミナーでは、こうした行政の専門知見と、2022年から継続してきた日本イーライリリーおよび、かねてよりヤングケアラー支援をともに進めてきたメディパルホールディングスのヤングケアラー認知啓発活動の経験を融合させることで、医療現場におけるヤングケアラーへの「気づき」を促す場となった。
参加者への事後アンケートでは、セミナーの内容の理解度に関して、
・ 85.0%が「ほとんど理解できた」
・ 87.5%が「大変有意義だった」 と回答
また、半数以上が「今後も学ぶ機会に参加したい」および「ヤングケアラーかもしれないと感じたら気にかけたい」と意欲を示し、35.0%が「ヤングケアラーかもしれないと感じたら支援先をさりげなく渡したい」と回答した。
医療従事者と上尾市のヤングケアラーコーディネーターとの交流も生まれるなど、同セミナーが地域での連携支援に向けた関係構築の場ともなった。
医療機関は、ヤングケアラーの早期発見や行政など関係機関との連携につながる重要なタッチポイントの1つであり、医療従事者によるヤングケアラーの認知や理解の向上が課題と言われている。日本イーライリリーはヤングケアラーを取り巻く環境改善に向けた取り組みを進める中で、神戸市や支援団体との対話を通じて、製薬企業として医療業界内でのヤングケアラー支援拡大の必要性を感じ、その準備を進めてきた。同セミナーは、ヤングケアラー支援における官民連携のモデルケースともなりえる意義ある取り組みとなった。
今後も日本イーライリリーは、行政・支援団体・民間企業との協働を通じて、医療業界におけるヤングケアラーの認知と理解向上を先導し、日本の未来を担う子どもたちのより豊かな人生の実現に貢献していく。

「ヤングケアラー」を知っていますか? ヤングケアラーを支える取組と私たちができること(政府広報オンラインより抜粋)

