アストラゼネカは17日、プロトンポンプ阻害剤「オメプラール注用20」について、同日より現在市場に流通している全ロットを自主回収すると発表した。
自主回収は、アストラゼネカが同品の製造を委託する東洋紡大津医薬工場の製造工程において、同製品の製造区域に要求されている清浄度を確認するための環境モニタリングデータの一部の不備が判明したため。
環境モニタリングとは、無菌医薬品を製造する製造区域に要求されている清浄度が日常的に保たれていることを検証するため、製造環境中の微生物及び空中微粒子をモニタリングし、その結果を適切に記録することである。同製品の品質に与える影響はきわめて低いと考えられるものの、適切な記録をもって十分に保証できないため今回の自主回収に至った。
なお、これまで出荷したロットは、無菌試験等全ての承認規格に適合している。また、無菌性保証の適切性を検証するために定期的に実施している培地充填試験(プロセスシミュレーション)にも適合しており、同製品の品質に与える影響はきわめて低いと考えられるため、同件に起因する重篤な健康被害のおそれは想定しにくいと推察される。現時点での同件に起因すると考えられる健康被害の報告はない。