抗悪性腫瘍剤「オータイロ」 進行・再発の固形がんを対象とする適応追加承認取得 BMS

 BMSは20日、抗悪性腫瘍剤/チロシンキナーゼ阻害剤「オータイロ」(一般名:レポトレクチニブ)について、既存のROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに加えて、新たに進行・再発の固形がんを対象とする適応追加承認を取得したと発表した。
 対象は、NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形がん。今回の承認は、成人患者を対象とした国際共同P1/2試験(TPX-0005-01試験、TRIDENT-1試験)並びに小児及び若年成人患者を対象とした海外P1/2試験(TPX-0005-07試験、CARE試験)のうち、NTRK融合遺伝子陽性固形癌患者より得られた結果に基づいてくもの。
 NTRK融合遺伝子は、NTRK融合遺伝子陽性の固形癌において発がんドライバーとして作用すると考えられている。NTRK融合遺伝子の発現頻度は、主要ながんで低く、NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発固形癌に対する治療選択肢は限られている。
 現在、いくつかの治療法があるものの、トロポミオシン受容体チロシンキナーゼ阻害剤(TRK-TKI)未治療およびTRK-TKI既治療の患者の両方において、固形腫瘍全体で高いアンメットニーズが存在している。
 なお、オータイロの「NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形がん」の適応判定に必要なNTRK1/2/3融合遺伝子の検出には、遺伝子変異解析プログラム「FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル」(中外製薬株式会社)を使用する。同ゲノムプロファイルは、オータイロのNTRK融合遺伝子陽性の固形癌に対するコンパニオン診断薬として、本年10月3日に厚労省より承認を取得している。

◆アンジェラ デイビスBMS 研究開発本部長のコメント
 オータイロが、NTRK融合遺伝子陽性の固形がんを有する成人及び小児患者の治療薬として承認されたことを大変誇りに思う。今回の承認は、既存のROS1融合遺伝子陽性非小細胞肺癌を超えて適応が拡大されただけでなく、希少ながん遺伝子変異における重要なアンメット・メディカル・ニーズに対応する次世代TRK阻害剤としての役割をさらに強化することを示している。
 これは、困難な疾患に直面する患者さんとその家族に革新と希望を届けるというBMSのコミットメントを改めて示すものである。

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