Drug Discovery AI Factoryを活用した創薬シーズライセンスアウトで共同研究の基本合意を締結 FRONTEOとUBE

 FRONTEOとUBEは13日、 創薬シーズの創出および製薬企業へのライセンスアウトを目的とした共同研究に関する基本合意を締結したと発表した。
 同共同研究では、FRONTEOがAI創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory」(DDAIF1)を活用し、疾患と標的分子との未知の関連性を探索する。
 UBEは、創薬研究で長年培ってきた化合物に関する専門知識と技術力を生かし、DDAIFによって探索された標的分子候補に作用する化合物の探索および最適化を担当する。
 同共同研究により、製薬企業は創薬成功確率と競争力の高い標的分子および作用化合物の取得が可能となり、創薬研究開発におけるリスク低減、パイプラインの拡充、ならびに創薬プロセスの加速が期待される。
 両社は本年12月までに対象疾患を決定し、2026年1月より研究を開始する予定である。
 近年、疾患の複雑化・多様化に伴い、創薬における新たな標的分子の探索はますます困難となり、標的分子の“枯渇”は世界的な課題である。
 こうした中、日本政府は現在、「創薬力向上のための官民協議会」を立ち上げるなど、創薬エコシステム構築を通じた創薬力強化を推進している。
 とはいえ、創薬力強化に向けた取り組みが進む一方で、現行の創薬エコシステムには実現性や最適性の面で課題が残されており、研究成果と経済効果の間には依然として大きなギャップが存在する。同共同研究は、こうした課題の解決を目指すもので、政府が掲げる創薬力強化の方針にも合致する取り組みとなる。
 FRONTEOとUBEは、それぞれ「標的分子探索」と「化合物探索・最適化」という独自の強みを生かし、研究開発の初期段階から密接に連携する。FRONTEOによる標的分子候補の発見から、UBEによるヒット化合物の探索・検証へと迅速に展開させることで、創薬シーズ導出までのプロセスを効率化し、実効性の高い創薬モデルを構築することができ、日本の創薬力強化に貢献する。

◆舩山陽一UBE常務執行役員医薬事業部長のコメント
 UBEは、人々の生命・健康に貢献するために、アンメット・メディカル・ニーズの高い疾患の治療薬創製を目指して日々創薬に取り組んでいる。昨年度実施したドラッグリポジショニングに関する共創プロジェクトを通じて技術力の高さを実感し、FRONTEOは当社にとって相乗効果をもたらすパートナーであると確信した。
 今回の共同研究では、アンメット・メディカル・ニーズを満たす有効な治療法を提供できる新たな標的分子が特定され、画期的な新薬候補化合物が見出されるよう努力していく。

◆豊柴博義FRONTEO取締役・CSO(チーフサイエンスオフィサー)のコメント
 FRONTEOは、独自のAIと解析手法を駆使し、疾患との関連性が未報告の、世界中でまだ誰も知らない極めて新規性の高い標的分子を文献情報から非連続的に発見することを強みとしている。
 この知見を実際の創薬へとつなげる上で、標的に対して有効な化合物を創出する知見と技術力を持つUBEは、極めて心強いパートナーである。両社の「アイデアの提示」と「ものづくり」の力が相互補完し、スピード感をもって革新的創薬を実現できることを期待している。
 今後もFRONTEOは、AI創薬のリーディングカンパニーとして、自然言語処理に特化したAIの研究開発とその社会実装を通じ、革新的医薬品の研究開発とアンメット・メディカル・ニーズ解消に貢献していく。
 「日本を再び創薬の地へ」の理念の下、医薬品産業を自動車、半導体に次ぐ基幹産業へと成長させ、薬を必要とするすべての人に適切に届けられるフェアな世界の実現を目指したい。

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