住友ファーマは31日、新規ユニバーサルインフルエンザワクチン「fH1/DSP-0546LP」について、P1試験の中間解析で概ね良好な忍容性を確認したと発表した。
同ワクチンは、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所(理事長:中村 祐輔氏、NIBN)とのプレシジョン免疫プロジェクトとして、住友ファーマが創出した新規 TLR7 ワクチンアジュバント(DSP-0546)を用いて開発されているもので、幅広いインフルエンザウイルスに対する予防効果を有する。
P1試験の中間解析は、あらかじめ同試験の臨床試験実施計画書に規定された方法で実施され、投与終了4週間後までの事後観察結果として、概ね良好な忍容性を確認した。なお、中間解析では、有効性の指標となる免疫原性についても、評価中である。
同試験は、投与1年後のフォローアップ観察まで継続し、「ユニバーサルインフルエンザワクチン」の早期実用化のために、引き続き研究開発を進める。
従来のインフルエンザワクチンは、ウイルスの抗原変異により効力を失うため、毎年流行株に合ったワクチン株の選定・製造・接種が必要であり、新型インフルエンザに迅速に対応することは困難であった。
同剤は、種類の異なるインフルエンザウイルスへの幅広い防御効果が非臨床研究で確認されている。住友ファーマおよびNIBNは、共同研究の成果である同剤について、季節性インフルエンザウイルスだけではなく、パンデミックに発展する可能性のある新型インフルエンザウイルスにも効果を示す画期的な次世代ワクチンとしての実用化を目指している。