中外製薬は7日、シンガポールを拠点とするバイオテック企業のGero(本社:シンガポール)と加齢関連疾患に対する新規治療法開発に向けた共同研究およびライセンス契約を締結したと発表した。
同共同研究では、Geroが独自のAI標的探索プラットフォームを用いたヒトデータセット解析によって見出された新たな創薬標的に対して、中外製薬が独自の抗体エンジニアリング技術により新規抗体医薬品候補を創製する。
同契約により、Geroは、同定した標的に対する抗体の創製および研究・開発・製造・販売に関し全世界における独占的実施権を中外製薬に許諾する。
これに対し、中外製薬は、契約一時金に加え、開発の進捗に応じたマイルストンおよび製品の発売に成功した場合の売上高に応じたマイルストンとして、最大で総額約2億5000万ドル(約363億円)を支払う可能性がある。加えて、製品が発売された場合、売上高に応じたロイヤルティをGeroに支払う。
◆奥田修中外製薬代表取締役社長CEOのコメント
中外製薬は、2030年に向けた成長戦略TOPI 2030で掲げた世界最高水準の創薬の実現に向け、グローバル先進プレイヤーをはじめとした外部パートナーとのオープンイノベーションは非常に重要と考えている。Geroの標的探索に関する技術に対し中外製薬の創薬技術をかけ合わせることで、イノベーションの創出を加速させていく。
◆Peter Fedichev Gero CEOのコメント
当社のAIプラットフォームは、複数の加齢関連疾患や加齢そのものを引き起こす治療標的を特定するために構築されている。
本提携では、それらの知見を基に治療薬を開発し、失われた機能を回復することを目指している。中外製薬との今回のパートナーシップは、ヒトの加齢の生物学的プロセスに効果的に働きかけるというGeroのミッション達成に向けた重要なステップである。
Alex Kadet Gero CBOのコメント
先進的な製薬会社である中外製薬とパートナーシップを組み、ヒューマンデータ駆動型の標的探索と最先端の創薬技術プラットフォームの相乗効果を引き出せることを嬉しく思う。
増加する加齢関連疾患のアンメットニーズに対するファースト・イン・クラスの治療薬の開発を目指したい。