中等症から重症の潰瘍性大腸炎治療薬「トレムフィア」発売 J & J

 Johnson & Johnson(J&J)は21日、中等症から重症の潰瘍性大腸炎治療薬「トレムフィア」の点滴静注、皮下注シリンジ、皮下注ペンの3製剤を発売した。
 「トレムフィア点滴静注200mg」は中等症から重症の潰瘍性大腸炎における寛解導入療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)、「同皮下注200mgシリンジ」及び「同皮下注200mgペン」は中等症から重症の潰瘍性大腸炎の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)を効能効果とトする。これらは、5月21日に薬価収載され、同日、新たに発売された。 薬価は、トレムフィア点滴静注200mg:200mg 20mL 1瓶 25万3045円、同皮下注200mgシリンジ:200mg 2mL 1筒33万9733円、同皮下注200mgペン:200mg 2mL 1キット 33万9733円、同皮下注100mgシリンジ:100mg 1mL 1筒 32万5040円。

 今回の発売は、日本国内においてトレムフィアにとって6番目の適応症となる。また現在、皮下注製剤による中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入療法、並びに中等症から重症の活動期クローン病に係る承認申請中。
 また、「トレムフィア皮下注100mgシリンジ」においては、本年3月27日に中等症から重症の潰瘍性大腸炎の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)の効能又は効果ならびに用法及び用量追加の承認を取得している。
 トレムフィアは、インターロイキンのIL-23を阻害するとともに、炎症性単球モデルのIL-23産生細胞の表面に発現するCD64にも結合し、産生されるIL-23 を捕捉するdual-acting(二重作用)を有する。
 日本において潰瘍性大腸炎を適応症とし、初めてかつ唯一の承認された dual-acting(二重作用)を有する完全ヒト型、IL-23p19阻害薬である3。国際共同P2b/3相QUASAR試験の結果に基づき承認されたトレムフィアは、従来の治療や生物学的製剤やJAK阻害剤で効果不十分または忍容性が不良であった中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の患者を対象に、有効性と安全性が評価されている。
 トレムフィア投与維持期44週時点の臨床的寛解率として45%~50%で、トレムフィア投与1年後の 内視鏡的寛解率として34~35%が示された。
 潰瘍性大腸炎は、過剰な免疫反応により発症する慢性疾患かつ指定難病である。症状はさまざまで、出血、血便、持続的な下痢、切迫便意、腹痛、食欲不振、体重減少、貧血、疲労などが挙げられる。
 現時点では、潰瘍性大腸炎は完治が難しく、再燃と寛解を繰り返すことが多いため、より長期的に寛解維持をできる新たな治療選択肢が求められていた。
 P3相QUASAR試験の結果によれば、維持期の92週時点において、臨床的寛解及び内視鏡的寛解の維持ができたと示された。維持期の92週時点で72%の患者が臨床的寛解を達成し、43%の患者が内視鏡的寛解を達成している。
 加えて、維持期の44週時点で内視鏡的改善を達成した患者の中では、維持期の92週時点まで内視鏡的改善を維持できている割合は84%であった。
 これらの結果は、Digestive Disease Week (DDW) 2025で発表された。

◆關口修平J&J Innovative Medicine Japan代表取締役社長のコメント
 今回、日本において潰瘍性大腸炎を適応とした初めてかつ唯一承認された dual-acting(二重作用)を有する IL-23p19阻害薬トレムフィアへの適応拡大及び新たな剤型の発売により、日本の潰瘍性大腸炎患者さんに新しい治療選択肢をお届けできることを大変嬉しく思う。この大きな一歩は、当社が30年にわたり築き上げてきた免疫疾患領域における成果を示し、潰瘍性大腸炎患者さんの生活の質の向上へのコミットメントを表すものでもある。

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