東北大学との革新的医薬品研究開発加速戦略的連携「プロジェクト蒼天」開始 武田薬品

 武田薬品は17日、東北大学との革新的な臨床試験ネットワーク構築と利活用を目的とした戦略的連携「プロジェクト蒼天」を開始したと発表した。
 プロジェクト蒼天は、2024年10月から2027年9月までの3年間で、臨床開発の効率化と患者の医療アクセス向上の同時実現を目指すもの。
 東北大学病院は、医療データ基盤の構築や統合、また各種解析のためのデジタルツール開発等を行い、地域医療ネットワークや、そこに蓄積される医療関連データを臨床開発で利活用する。
 これにより、武田薬品が主導する臨床試験への参加に適した患者の特定と登録、武田薬品が主導する臨床試験への参加に適した患者への機会提供の迅速化が期待される。
 また、臨床試験および臨床開発計画の最適化により、臨床開発の効率が大幅に向上するとともに、欧米からの日本の臨床開発への期待が増すと考えられる。
 さらに、双方から新規医薬品やソリューションのアイデアが生み出され、実用化に進む好循環が生まれることも期待される。
武田薬品と東北大学は、これまでも東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)との共同研究により、地域住民の方の全ゲノム情報、すなわち遺伝的背景と長期的な健康状態の推移の相関を解析し、医薬品の基礎研究を推進してきた。プロジェクト蒼天はこうした取り組みが発展したものであり、蓄積された知見とノウハウが日本や世界の医薬品開発に利活用され、ドラッグラグやドラッグロスを解消し、患者の医療アクセスの向上に寄与することを目指す。

◆梶井靖武田薬品 R&D ジャパンリージョン ヘッドのコメント
 プロジェクト蒼天は、患者さんの医療アクセスを改
善し、臨床開発の効率を向上させる画期的な取り組みである。世界最先端の優れた医療技術・研究力とデジタル技術力に加え、世界中の医療従事者や研究者のネットワークにおけるリーダーシップ、また実績に基づいた地域の住民・患者さんとの信頼関係を持つ、科学技術力と人材の両面において卓越した東北大学とともに取り組めることに大きな喜びを感じる。武田薬品はプロジェクト蒼天を通じて、革新的医薬品を日本と世界の患者さんに確実により早く届けることに一層コミットする。

◆張替秀郎東北大学創薬戦略推進機構長・病院長のコメント
 プロジェクト蒼天において、我々が東北地方で蓄積した医療情報や人的ネットワークをさらに拡充し、利活用することは、地域医療の質を向上させるだけでなく、日本、ひいては世界での革新的な治療法開発の直接・間接的な加速に貢献する重要な一歩である。日本で創業し、多様性から生まれるイノベーションの実用化に注力する武田薬品との戦略的連携に、大いに期待している。

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