アルツハイマー病治療剤「レケンビ」 韓国で新発売 エーザイ

 エーザイは28日、ヒト化抗ヒト可溶性アミロイドβ(Aβ)凝集体モノクローナル抗体「レケンビ」について、韓国で新発売したと発表した。
 同剤は、本年5月に「成人のアルツハイマー病(AD)による軽度認知障害および軽度の認知症の治療」の適応で、韓国食品医薬品安全処(MFDS)より承認を取得した。
 「レケンビ」は、AD における可溶性 Aβ凝集体(プロトフィブリル)に選択的に結合するとともに、Aβプラークの主要構成成分である不溶性Aβ凝集体(フィブリル)にも結合し、脳内の AβプロトフィブリルおよびAβプラークを減少させると考えられている。
 これらの作用により、ADの進行を抑制し、認知機能と日常生活機能の低下を遅らせることを実証して承認された世界で初めての治療薬である。
 韓国における65歳以上の認知症の当事者は2021 年で約90万人と推計され、65 歳以上の10人に1 人は認知症、5人に1人は軽度認知障害(MCI)といわれている。認知症のうち約7 割はアルツハイマー型認知症と報告されている。
 認知症当事者様1人当たりの年間の平均介護費・医療費は、2110万ウォン、重症の当事者では 3310万ウォンに達すると推計されている。
 レカネマブについて、エーザイは、開発および薬事申請をグローバルに主導し、エーザイの最終意思決定権のもとで、エーザイとバイオジェンが共同商業化・共同販促を行う。韓国においては、エーザイコリアが販売および情報提供活動を行う。
 エーザイコリアは、長年にわたり認知症領域のパイオニアとして疾患啓発などの活動に注力しており、特に近年、医療関係者をはじめ、学会、患者団体、ケアセンター、健診企業、診断企業など、様々なステークホルダーズと協働し、AD の啓発、早期診断・治療の実現をめざす認知症エコシステムの構築を推進している。
 エーザイコリア.は、まずはプライベートマーケットにおいて同剤の発売を開始し、Patient Assistant Program の設定も含めて、治療を待ち望む当事者へのレカネマブを提供により、当事者に加え、介護に従事する家族、さらには韓国社会に対してインパクトを与えることを目指していく。

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