原発性胆汁性胆管炎治療剤KC-8025」 P3試験開始 科研製薬

 科研製薬は5日、原発性胆汁性胆管炎治療剤「KC-8025」について、日本でのP3試験を開始すると発表した。原発性胆汁性胆管炎は、病因が解明されていない慢性進行性の胆汁うっ滞性肝疾患だ。胆管上皮細胞の変性・壊死によって小葉間胆管が破壊・消滅することで慢性進行性に胆汁うっ滞を呈し、最終的には肝硬変から肝不全に至る難病で、日本では「指定難病」に認定されている。
 KC-8025は、選択的にペルオキシソーム増殖因子活性化受容体デルタ(PPARδ)に作用する新規の低分子経口剤だ。これまでに海外で実施されたウルソデオキシコール酸(UDCA)の効果が不十分またはUDCA不耐性な原発性胆汁性胆管炎患者を対象とした同剤のP3試験結果(RESPONSE 試験:NCT04620733)に基づき、シーマベイ社より、新薬承認申請がなされ、本年8月に米国FDAから迅速承認された。
 また、同剤は英国の医薬品・医療製品規制庁(MHRA)および欧州医薬品庁(EMA)による審査が受理された。今回、日本で実施するP3試験では、海外P3試験と同様に UDCA の効果不十分または UDCA 不耐性な原発性胆汁性胆管炎患者を対象として同剤を1日1回、52週間経口投与した際の日本人における有効性及び安全性を評価する。
 なお、同件による影響は、2025年3月期連結業績予想に織り込んでいる。

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