セフィデロコル PROVE研究で高い治療効果と良好な忍容性確認 塩野義製薬

 塩野義製薬は17日、グラム陰性菌感染症治療薬セフィデロコルについて、有効性・安全性を評価した新規リアルワールドエビデンス(PROVE研究)において高い治療効果と良好な忍容性が確認されたと発表した。同研究結果は、10月16日~19日に開催される米国感染症学会週間Infectious Disease Week 2024(IDWeek 2024)で公表される。
 PROVE研究は、薬剤耐性を示すグラム陰性菌感染症を患う重症患者に対するセフィデロコルの実臨床での有効性と安全性の評価を目的に実施された国際多施設共同の後ろ向き観察研究だ。
 同究の主要評価項目である臨床的成功率(症状が消失または改善した割合)は呼吸器感染症患者で71.6%、血液感染症患者で74.1%、尿路感染症患者では91.2%であり、全体では75.1%の臨床的成功率であった。また、30日以内の全死因死亡率は23.3%で、良好な臨床効果が示された。
 同研究において、セフィデロコルを投与された1075例の患者背景は次の通り。

・重症の入院患者を対象とし、そのうち半数以上(56.6%)は集中治療室にて治療されていた。感染症の内訳は呼吸器感染症53.1%、尿路感染症10.6%、血液感染症10.0%であった。

・対象患者の74.6%が、重度の細菌感染症の治療に一般的に使用されるカルバペネム系抗菌薬に対して耐性を示していた。

・主な原因菌は緑膿菌(35.9%)、アシネトバクター・バウマニ(18.1%)、腸内細菌目細菌(13.1%)であった。また、25.2%は、複数のグラム陰性菌が同時感染した複数菌感染症であった。
 1075例の対象患者において25例の患者で副作用が確認され、セフィデロコルの忍容性は良好であることが示された。
 同研究結果より、薬剤耐性を示す様々なグラム陰性菌感染症に対するセフィデロコルの高い治療効果と良好な忍容性が確認された。

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