オミクロン株JN.1系統対応新型コロナワクチン「コミナティ筋注シリンジ12歳以上用」発売 ファイザーとビオンテック

コミナティ筋注シリンジ12歳以上用 製剤写真

 ファイザーとビオンテックは19日、12歳以上を対象とした新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のオミクロン株JN.1系統対応ワクチン「コミナティ筋注シリンジ12歳以上用」を発売した。
 同剤は、プレフィルドシリンジ製剤で、解凍・希釈・充填の作業が不要である。2~8℃で冷蔵保管が可能で、有効期限は8か月間。接種時は、室温に戻し注射針を装着すればすぐに接種が可能である。誤接種を防止するために製品名と投与方法をラベルに表記し、他のワクチンとの識別を容易にしている。また、従来のコミナティ同様、同剤も1回あたりの投与量は0.3mlである。
 同剤は、本年10月1日から開始される新型コロナワクチンの定期接種ならびに、定期接種非対象者の任意接種に供する製剤として流通させる。品質に係るデータに加え、オミクロン株XBB.1.5系統対応のCOVID-19ワクチンに比べ、JN.1およびKP.2、KP.3を含むその亜系統に対しても優れた免疫反応を示した非臨床データ等をもとに、本年8月8日に厚労省から適応追加承認を取得している。
 本年5月29日に開催された「第2回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発及び生産・流通部会季節性インフルエンザワクチン及び新型コロナワクチンの製造株について検討する小委員会」では、2024/2025シーズン向けの新型コロナウイルス感染症ワクチンの抗原組成について、JN.1系統が選択されている。なお、厚労省は、XBB対応型1価ワクチンについて、2024/2025シーズンの定期接種においては公費助成等の対象外であることを示した。このことから、両社が本年5月17日に発売を開始した「コミナティRTU筋注1人用(1価:オミクロン株XBB.1. 5)」は、同剤の出荷開始をもって販売を終了する。
 なお、本年8月8日に適応追加承認を取得したオミクロン株JN.1系統対応のコミナティRTU筋注5~11歳用 1人用(バイアル製剤で希釈不要)およびコミナティ筋注6ヵ月~4歳用 3人用(バイアル製剤で要希釈)についても現在発売の準備を進めていく。

◆藤本陽子ファイザー取締役執行役員ワクチン部門長のコメント
 ファイザーとビオンテックは、パンデミック以降、世界で新型コロナ感染症の対応に尽力してきた。今回、利便性が高く、最新の変異株に対応した12歳以上を対象としたワクチンをお届けできることを嬉しく思う。近年では、新型コロナ感染症は夏場と秋冬にかけ感染者が増加する傾向にある。罹患後症状など明らかになっていないことも多く、ウイルスは変異を続けているため、基本的な感染防止策とともに変異株に対応したワクチン接種も必要とされている。
 我々は、これまでに3億回を超えるコミナティを日本でお届けしてきたが、この経験を活かし、今後も医療機関や関連学会等と連携してワクチン適正使用推進のための情報提供活動に努めるとともに、医療現場のニーズに応えるワクチンを開発、供給していく。

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