抗体-薬物複合体PADCEV 中国において尿路上皮がんで承認取得 アステラス

 アステラスは20日、ーファイザーと共同で開発を進めている抗体-薬物複合体(ADC)「PADCEVTM(一般名:エンホルツマブ ベドチン(遺伝子組換え))について、局所進行性または転移性尿路上皮がん治療薬として中国の国家薬品監督管理局(NMPA)の医薬品評価センター(CDE)から承認を取得したと発表した。
 対象は、白金製剤を含む化学療法およびPD-1またはPD-L1阻害剤による治療歴のある局所進行性または転移性尿路上皮がん(locally advanced or metastatic urothelial cancer:la/mUC)。
 今回の承認は、グローバル試験であるEV-301試験および中国で実施されたEV-203試験のデータに基づくもの。EV-301試験は、エンホルツマブ ベドチンのグローバルでの申請の根拠となったP3試験で、EV-203試験はそのブリッジング試験である。
  EV-203試験は、PD-1またはPD-L1阻害剤および白金製剤を含む化学療法の治療歴のある中国人la/mUC患者を対象にした単群非盲検多施設共同P2試験である。独立審査委員会による客観的奏効率(Overall Response Rate:ORR)について、エンホルツマブ ベドチン投与群は37.5%(n/n=15/40、95%信頼区間:22.7-54.2)であり、過去の対照群と比較して有意な改善が認められ、主要評価項目を達成した。
 また、有効性および薬物動態はEV-301試験と同様の結果であり、治療に関連する有害事象の大部分がグレード1-2であった。
 尿路上皮がんは、下部尿路(膀胱と尿道)および上部尿路(尿管と腎盂)の両方に影響をおよぼす、侵襲性の高いがんである。中国では2022年に、9万2000人以上が膀胱がんと診断され、約4万1000人が死亡した。la/mUCは生存率が特に低く、アンメットメディカルニーズの高い疾患である。
 なお、同件によるアステラス製薬の業績への影響は、2025年3月期通期連結業績予想に織り込み済みである。

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