日本新薬は27日、本年4月よりスタートしている第七次5ヵ年中期経営計画「For Global Growth Beyond the Cliff」(2024年度~2028年度)を発表した。同中計では、最終年度の2028年度に、売上収益2300億円、営業利益300億円を目指す。
同社は、変化の激しい環境の中で、経営理念「人々の健康と豊かな生活創りに貢献する」のもと、事業活動を推進している。2019年度からスタートした第六次5ヵ年中期経営計画「持続的な成長を目指して-さらなる独自性の追求-」では、「世界のヘルスケア分野で存在意義のある会社」を目指し、研究開発、グローバル事業の推進等6つの取り組みに挑戦。
その結果、医薬品事業では、毎年の薬価改定や新型コロナウイルスの世界的な流行の響等により、定量目標は未達となったものの、米国における自社販売を達成するなどグローバル基盤の構築を進めることができた。
また、機能食品事業では、高収益体質への転換を目指し、定量目標を達成した。全体では、第六次5ヵ年中期経営計画の最終年度である2023年度の定量目標を下回ったが、第六次中計期間中の持続的な売上、利益の成長を達成することができた。
2024年度からスタートした第七次5ヵ年中期経営計画では、長期ビジョンとして2035年のありたい姿「京都のグローバルヘルスケアカンパニーとして、新しい生きるを世界に届ける会社」を掲げ、来るべく肺動脈性肺高血圧症・慢性血栓塞栓性肺高血圧症治療薬「ウプトラビ」のパテントクリフを乗り越えて将来的に成長するシナリオを描いている。
まず第六次中期経営計画の6つの取り組みを推進する中で明らかとなった課題の解決を図った上で、「3つの重点テーマと5つの経営基盤の強化」に全社員が一丸となって果敢に挑戦し、2030年度の売上収益3000億円、営業利益500億円企業を目指して、最終年度の2028年度には万全の態勢を整え、2035年のありたい姿の実現に向けて邁進する。
3つの重点テーマは、①ウプトラビに替わる成長ドライバーの育成、②グローバル展開の拡大、③継続的なパイプラインの拡充。
①では、第七次中計期間中の成長ドライバーとして、グローバルでデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)治療薬群、国内で血液がん新製品群およびPLCM群を上市し、早期に市場浸透させる。
②は、既進出の米国、中国では製品ラインアップを強化し、M&Aを含め欧州及びその他地域の販売エリアを拡大する。
③においては、臨床段階以降の導入品を獲得するとともに、オープンイノベーション及びAI創薬を活用して自社創薬を強化し、パイプラインを継続的に拡充する。
3つの重点テーマを支える5つの経営基盤の強化として、①持続可能な社会の実現に向けたサステナビリティ経営の推進、②研究開発のスピードアップ、③社員一人ひとりが成長し多様な人財が活躍できる人的資本経営の推進、④デジタル化推進による業務変革と生産性の向上、⑤サステナブルな成長に向けた財務戦略ーを掲げている。