小野薬品は30日、Numab 社(スイス)と、新たにがん免疫領域において多重特異性抗体を創製するための創薬提携契約およびオプション契約を締結したと発表した。
小野薬品は、2017年3 月に Numab 社と創薬提携契約およびオプション契約を締結しているが、今回の契約は前回の契約とは異なる組み合わせの標的分子に対する新たな多重特異性抗体の創製を目的としたもの。前回の契約同様、同契約に伴い、小野薬品はNumab社の革新的な創薬アプローチに基づいて創製された新薬候補抗体について、全世界で独占的に開発・商業化するオプション権を獲得した。
今回の契約締結に伴い、小野薬品はNumab社に対して、契約一時金、研究および開発の進捗に応じたマイルストン、売上高に応じたマイルストンとして、総額で最大2億6000万スイスフランを支払う。また、売上高に応じた一桁~二桁台のロイヤルティを支払う。
滝野十一小野薬品常務執行役員研究本部長は、「当社は、前回の契約に基づいて進めている創薬プロジェクトを通じて、Numab社の多重特異性抗体作製プラットフォームが、優れた多重特異性を有する候補抗体を作製できるよう最適化されたものであることを確認した」と明言。その上で、「この提携から創製される多重特異性抗体ががんに苦しむ患者さんに新たな希望を与えることになると期待している」とコメントしている。