再生医療の産業化を推進し、新たな治療の選択肢を創造
ロート製薬は16日、大阪府と21社の民間企業等で設立した未来医療推進機構(理事長:澤芳樹氏)が運営する「Nakanoshima Qross(未来医療国際拠点)」内の「未来医療R&Dセンター」に研究ラボ・オフィスを開設し、4月より順次入居を開始したと発表した。
一部施設の細胞培養加工施設(CPC)は2025年に完成予定である。同社は、入居する大学及び公的研究機関、他企業とともに新たな細胞治療の研究開発と社会実装を目指す臨床研究、ならびに他企業との連携によるサプライチェーンの開発・確立を推進し、新たな治療の選択肢となる再生医療の社会実装を実現して人々のウェルビーイングに貢献していく。
ロート製薬は、ロートグループ総合経営ビジョン2030「Connect for Well-being」を掲げ、再生医療事業や食事業にも領域を広げながら、先端医療や予防・未病、毎日の健康まで、人々のウェルビーイングに資するさまざまな取り組みを行っている。
再生医療においては、適切な治療法がなく困っている患者に新たな治療の選択肢となる再生医療を提供するべく、その想いを事業ステートメント「再生医療をもっと身近に、もっと利用しやすく」に込め、医療における産学連携の新たなモデルの確立を目指している。
未来医療の社会実装へ向けた共創拠点として、国内では「藤田医科大学東京 先端医療研究センター」、海外では「香港サイエンスパーク(Hong Kong Science Park)」内に研究拠点を構えているが、今回「Nakanoshima Qross(未来医療国際拠点)」への参画により、医療機関や大学、研究機関、関係企業とともに、臨床研究、産業化両面での社会実装へ向けた取り組みに関して、より一層の加速が期待される。Nakanoshima Qrossへの参画内容は、次の通り。
1、医療現場と連携した細胞治療の研究開発
患者・医療関係者の状況を踏まえ、間葉系幹細胞をはじめとした様々な再生医療に関連するシーズの細胞治療方法の開発を行う。医療現場からの臨床情報をもとに研究開発(リバーストランスレーショナルリサーチ)を行うことで、高いエビデンスを持つ新規の細胞治療方法の開発が可能となる。
2、入居する他企業との連携による細胞治療のサプライチェーンの開発・確立
細胞を製造するメーカーとして、新たな治療シーズを有するスタートアップ企業、再生医療の産業化に必要な関連企業とともに、品質を担保したサプライチェーンの開発を行う。国内で高品質かつ治療効果の高い細胞を届け、再生医療がより広く普及することを目指す。
3、細胞培養加工施設(CPC)併設による社会実装の実現(2025年完成予定)
再生医療等安全性確保法のもと自由診療下で治療を行う医療機関へ向けて、治療に必要となる患者の細胞受託加工を行う。隣接する眼科、循環器、整形外科との連携によって、エビデンスレベルの高い細胞治療の社会実装に貢献する。