大阪府薬剤師会は6日、定例記者会見を開催し、乾英夫会長が3月5日付で会長候補者立候補届を提出したこと明らかにした。
会長立候補届期間は3月1日~18日で、3月7日時点で乾氏以外の立候補者はいない。今後、3月23日に開かれる第22回臨時総会(第147回通常代議員会)で会長候補者を選出し、6月の総会で正式に会長を決定する。
乾氏は、5日に出された調剤報酬算定要件にも言及し、「勤務薬剤師などの賃上げは調剤基本料で評価されたが、3点で足りるのか懸念される」との見解を示した。
また、令和6年能登半島地震への対応については、「2月15日に大阪府薬としての支援薬剤師等の派遣を終了した。日薬からの支援薬剤師募集は2月29日に終了している」と報告した。
乾氏は、「まもなく会長としての2期目が終わり、6月の総会で再任されれば3期目となる」と説明した上で、「コロナ禍では様々な公衆衛生の活動も行ってきたが、医療現場の医薬品不足が3年間続いてモチベーションの維持に苦労している。薬剤師が誇りを持って地域医療に貢献できるようにしっかりと支えていきたい。」と会長候補者としての決意表明を語った。
さらに、患者のための薬局ビジョンの実現について、「これまで大阪の全ての地域において同じレベルになるよう役員一同進めてきたが、地域によって出来ている所とそうでない所の濃淡がある」と明言。
その上で、「再任されれば、大阪全域で地域の医薬品供給拠点の薬局活動が大阪全域でできるように取り組んでいきたい」と訴求した。
一方、道明雅代副会長は、3月5日に出された調剤報酬の算定要件について「調剤基本料は上がったが、地域支援体制加算は従来からの実績が重視されるようになり取り難くなった」と指摘し、「調剤だけでなく、地域での活動が重要視される傾向にある」と解説した。
羽尻昌功常務理事も「薬局におけるOTC医薬品48品目の配置や、緊急避妊医薬品への対応、緊急避妊薬コロナ治療薬の常備、医薬品の融通、在宅医療への24時間対応などが求められている」と補足し、「地域に根付いた薬局にフィーが付くようになっている」と強調した。
また、連携強化加算では、「抗原キットの配置、新興感染症や地震災害に関する研修会への参加」が算定要件となっている」と説明した。
令和6年能登半島地震への対応では、大阪府薬は1月8日から2月15日まで延べ42名の薬剤師や職員が被災地に出向した。モバイルファーマシー(災害対策医薬品供給車両)は、1月17日に大阪を出発して輪島市に向い、2月3日に帰阪した。
3月以降の活動状況については、派遣薬剤師の宿泊拠点である羽咋市柴垣の施設を3月6日に閉鎖し、以降の本部業務は石川県薬剤師会に移管された。
薬剤師の支援活動についても、現在配置されている支援薬剤師班が現地活動場所の整理等を行い、3月9日を以て完全撤退する。ただし、1.5次避難所については、3月下旬まで2名体制で継続する予定だ。
今後は、「できる限り地元薬剤師会で対応していくが、被災地域の事情により県外からの支援が必要になると見込まれる場合には、石川県薬剤師会と日本薬剤師会が調整の上、近隣県の薬剤師会を中心に再度協力を要請する。
また、都道府県医師会において調整・派遣されるJMATへの薬剤師の参加については、引き続き協力していく。