ブリストルマイヤーズスクイブ(BMS)は18日、アベクマについて、同剤と標準併用レジメンを比較評価したピボタルなP3相非盲検国際共同無作為化比較対照試験(KarMMa-3試験)において、再発および難治性多発性骨髄腫の早期治療ラインにおける持続的な無増悪生存期間を示したと発表した。
同患者集団に対する CAR T 細胞療法のP3相無作為化試験として最長の追跡調査である中央値 30.9 カ月(範囲:12.7-47.8)の追跡調査において、アベクマは、標準レジメンと比較して PFS の有意な改善を維持し(95% CI:13.8 カ月 vs. 4.4 カ月)、病勢進行または死亡のリスクを 51%低減した(HR:0.49;95% CI:0.38-0.63)。
これらのデータは、同日、第65回米国血液学会(ASH)年次総会・展示会で口頭発表された。
より長期の追跡調査において、アベクマによる治療を受けた群(254 例)は、標準レジメン群と比較して、引き続き高い奏効率(ORR)とより深い奏効を示した。アベクマ群のORRは71%(95% CI:66-77)であった。完全奏効(CR)率は 44%(95% CI:38-50)で、中間解析時から5%上昇した。
これと比較して、標準レジメン群のORRは41%(95% CI:34-51)であった。CR 率は5%(95% CI:2-9)で、中間解析時から変化しなかった。
KarMMa-3試験の標準レジメン群で認められた PFS、ORR および CR 率は、複数の前治療を受け、3 クラスの薬剤による治療歴を有する患者集団でこれまで認められてきたものと一貫していた。
同患者集団におけるPFS は約4カ月で、深く持続的な奏効は限られている。これらのデータに基づき、アベクマは、3クラスの薬剤による治療歴を有する再発および難治性多発性骨髄腫患者に対するP3相無作為化比較対照試験において標準レジメンを上回る有効性を示した初めてかつ唯一の抗 BCMA CAR T 細胞療法となる。
◆Paula Rodriguez-Otero氏(ナバラ大学病院血液内科、M.D., Ph.D.)のコメント
KarMMa-3試験のより長期の追跡調査では、3クラスの薬剤による治療歴を有する多発性骨髄腫に対するアベクマの有意な臨床的ベネフィットが引き続き認められ、より早期の治療段階でアベクマを使用することで、長期の疾患管理と寛解を実現する可能性が示されている。
後期治療ラインにおける実臨床実績が最も長いCAR T療法として、また、臨床的に意義のあるベネフィットおよび十分に確立されおおむね予測可能な安全性プロファイルを示すこれらの最新データに基づき、アベクマは、3 クラスの薬剤による治療歴を有する再発および難治性多発性骨髄腫のどの治療ラインにおいても、革新的な治療選択肢となる可能性を有している。
◆Anne Kerber BMS血液・腫瘍・細胞療法領域後期臨床開発責任者・シニアバイスプレジデントのコメント
我々は、長い間ファースト・イン・クラスの抗 BCMA CART 細胞療法として、アベクマが多発性骨髄腫のあらゆる治療段階に臨床的価値をもたらし、いまだアンメットニーズが残る困難な疾患を抱える患者さんのアウトカムを変えると信じてきた。
KarMMa-3試験のより長期の結果は、主要3クラスの薬剤による治療歴を有する再発および難治性多発性骨髄腫患者さんに対し、アベクマが無増悪生存期間の改善と持続的な奏効をもたらす重要な治療選択肢となる可能性を明確に示している。治療困難な血液がんの早期治療段階において、より多くの患者さんの新しい標準治療として細胞療法の使用を後押しするデータを共有でき誇りに思う。