中外製薬は25日、ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体「アクテムラ」について、悪性腫瘍治療に伴うサイトカイン放出症候群に対する適応追加の承認を取得したと発表した。
アクテムラは2019年3月に「腫瘍特異的T細胞輸注療法に伴うサイトカイン放出症候群」を効能・効果として承認を取得している。今回の適応追加により、腫瘍特異的T細胞輸注療法以外の悪性腫瘍治療においても、サイトカイン放出症候群の抗サイトカイン療法として投与が可能となる。
今回の承認は、ジェンマブ社が実施した再発又は難治性のB細胞性非ホジキンリンパ腫患者に対してエプコリタマブ(遺伝子組換え)を投与する国内P1/2試験の成績等に基づくもの。
オンコロジー領域のトップ製薬企業である中外製薬は、アクテムラが悪性腫瘍治療に伴うサイトカイン放出症候群に対する治療薬として貢献できるよう、適正使用の推進に取り組んでいく。
◆奥田修代表取締役社長 CEOのコメント
サイトカイン放出症候群は、悪性腫瘍治療で見られる副作用の一つで、重症化すると生命を脅かすこともある。既に承認を取得している腫瘍特異的T細胞輸注療法に加え、悪性腫瘍治療の種類によらず惹起されるサイトカイン放出症候群に対する初の抗サイトカイン療法として、アクテムラを幅広く提供できることは非常に意義深い。
悪性腫瘍治療を円滑に進めるためにアクテムラが役立てられるよう、適正使用の推進に努めていく。