MSDは7日、抗PD-1抗体「キイトルーダ」について、切除可能な非小細胞肺がん(NSCLC)に対する術前の化学療法との併用療法と、それに続く術後のキイトルーダ単独療法の適応追加承認申請を行ったと発表した。
肺がんは、日本では2019年に約12.7万人が新たに診断され、2020年には約7.6万人が死亡しており、がんによる死亡原因の第1位となっている。
また、非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に大別されるが、NSCLCが大部分を占め、そのなかには腺がん、扁平上皮がん、大細胞がんなどが含まれている。
NSCLC患者には、比較的早期のステージでは治癒を目的とした外科手術が行われているが、手術を行っても再発する場合もあり、再発を防ぐための新たな治療の選択肢が求められていた。
今回の適応追加承認申請は、国際共同P3試験(KEYNOTE-671試験)結果に基づくもの。同試験は、切除可能なII期、IIIA期、IIIB期(T3-4N2)のNSCLC患者を対象としており、キイトルーダと化学療法との併用による術前補助療法と、その後の切除とキイトルーダ単独療法による術後補助療法は、プラセボと化学療法との併用による術前補助療法と、その後の切除とプラセボによる術後補助療法と比較して、無イベント生存期間(EFS)の統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善が認められた。
なお、同試験におけるキイトルーダと化学療法の併用療法の安全性プロファイルは、これまでに報告されている臨床試験と同様であった。