潰瘍性大腸炎に関するWEB動画「便意切迫さんのうた」公開 日本イーライリリーと持田製薬

 日本イーライリリーと持田製薬は9日、「潰瘍性大腸炎との暮らしを、話せる社会へ。」プロジェクトのWEB動画「便意切迫さんのうた」を同日より公開したと発表した。
 同プロジェクトは、一般社会に対して潰瘍性大腸炎およびその症状の1つでQOLに大きな影響を及ぼす「便意切迫感」への理解を促すことを目的としたもので本年7月5日から開始している。
 潰瘍性大腸炎は、主に大腸粘膜にびらんや潰瘍を形成する原因不明のびまん性非特異性の炎症性疾患で、特徴的な症状として、下痢、持続性または反復性の血便、腹痛1が挙げられる。
 社会的活動が最も活発な若年層から壮年層での発症が最も多く、就学、就労や結婚等の重要なライフイベントや、責任あるポジションに就くタイミングを迎える人々のQOLに大きな影響を及ぼすとされている。
 中でも、潰瘍性大腸炎の患者が最も改善したい症状として挙げているのが“突然かつ緊急に感じる排便の必要性”と定義される「便意切迫感」だ。
 日本イーライリリー実施のインターネット調査では、「トイレに間に合わないのではないかという不安感がある」と回答した患者さんにとって、「便意切迫感」が自身のQOLに大きな影響を与え、改善したい症状の1つであると考えている。
 その一方で、”自身の努力や工夫”によって日常生活を維持している可能性があること等が明らかになった。
 こうした現状を踏まえ、日本イーライリリーおよび持田製薬は、悩みや不安を抱えながらも潰瘍性大腸炎と向き合い、疾患とともに暮らす患者の思いに寄り添い、一人ひとりが潰瘍性大腸炎への理解を深めることで、患者へのサポートの輪を広げていくというコンセプトで同プロジェクトを発足させた。
 9日公開したWEB動画「便意切迫さんのうた」は、「便意切迫感」の症状に悩み、工夫し、努力している患者さんの声を基に作られた疾患啓発動画だ。「便意切迫感」に対する患者の不安や心配を表現したオリジナルキャラクター「便意切迫さん」が登場し、「便意切迫感」と暮らす患者の日常を歌で描いている。
 歌唱パートは、自身も潰瘍性大腸炎の患者である声優・中村千絵氏が患者の声を代弁している。同動画は、プロジェクト活動の一環として展開する特設サイト(https://www.mochida.co.jp/withuc)より閲覧できる。 WEB動画「便意切迫さんのうた」の概要は、次の通り。

 同動画は、潰瘍性大腸炎の症状の1つでありQOLに大きな影響を及ぼす「便意切迫感」についての理解を促す疾患啓発動画。周囲には、日常生活の中で何かしらの我慢をしている患者の気持ちに優しく寄り添ってほしい、そして患者さんには一人で悩まないでほしい、という思いから作製された。アニメーションや歌を取り入れることで、患者にとってネガティブだったり、つらく感じたりする問題に対しても、やわらかくポジティブな印象を与え、患者自身の工夫や努力で疾患と上手につきあっていることへの賞賛や、自分の気持ちを周囲に伝えても良いんだ、という前向きなメッセージとして表現した。

<ストーリー概要>

 主人公は、潰瘍性大腸炎を患う男性。彼のそばには、いつでもどこにでもついてくる「便意切迫さん」がいる。「便意切迫さん」は、初めての街へのお出かけ、試験中、旅行先、大事なデートの最中など、ここぞ!というときに何かと邪魔してくる困った存在なのだが、主人公は自身の工夫や努力でいつもうまく乗り切っている。付き合いの長さもあり、いつの間にか「便意切迫さん」の存在やその影響が、男性にとって当たり前になっているが…。

<「便意切迫さん」について>

 潰瘍性大腸炎の患者が「便意切迫感」に対して抱く、不安や心配などのモヤモヤした気持ちを形にしたキャラクター。実際に患者のお話を聞きながら、「便意切迫感」に対する「一言では言い表せない複雑な感情」を、その造形や動きで表現している。

中村千絵(なかむら ちえ)氏からのコメント

 患者の皆さんへ。潰瘍性大腸炎になっていろいろ大変なこと、思い通りにいかないことがあると思われる。同じ潰瘍性大腸炎という病気であってもそれぞれに合う治療法だったり食事の許容範囲だったりとか、病気の度合いも人それぞれである。だからこそ、患者さん同士、お医者さん、あるいは周りのお友達や家族、近しい人たちと話すことで、少しでも気持ちが楽になったり、悩んでいるのは一人じゃないんだなって思えたらいいなって。私も当事者ですので、一緒にがんばろう。 そして、周囲の皆さんへ。私たち患者が抱えている不便さや心細さを知っていただいたり、ちょっとだけ理解してもらえたり、潰瘍性大腸炎のことに関心を持ってもらえたら、これからずっとこの病気と共存して戦っていかなくてはならない患者にとっては、とても心強く、毎日が過ごしやすくなると思う。今回の動画が、その一つのきっかけになるといいなと思われる。

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