武田薬品は、フルキンチニブについて、治療歴を有する転移性大腸がん(mCRC)を対象としたP3相試験FRESCO-2の試験結果が15日(米国時間)に、Lancetに掲載されたことを明らかにした。
同論文には、昨年6月24日データカットオフ時点でのFRESCO-2試験結果の詳細が掲載されている。この結果概要は、2022年9月12日に2022年欧州臨床腫瘍学会(European Society for Medical Oncology Congress:ESMO22)で発表された。
フルキンチニブは、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)1/2/3に対する高い選択性を有する強力な阻害薬である。FRESCO-2試験は、治療歴を有するmCRC患者さんを対象に、フルキンチニブ+最良支持療法(BSC)群とプラセボ+BSC群を比較検討する米国、欧州、日本およびオーストラリアで実施された国際共同P3相試験である。
FRESCO-2試験は主要評価項目および重要な副次評価項目を達成し、フルキンチニブの投与により、統計学的に有意で臨床的に意味のある全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)の改善が示された。
FRESCO-2試験におけるフルキンチニブの安全性プロファイルは、以前に報告されたフルキンチニブの試験と一致している。
FRESCO-2試験は、治療歴を有するmCRCの治療薬としてのフルキンチニブの米国FDAおよび欧州医薬品庁(EMA)への承認申請を支持する重要な試験であった。FDAは、2023年5月に新薬承認申請(NDA)を優先審査指定し、EMAは2023年6月に製造販売承認申請(MAA)を受理する。
日本医薬品医療機器総合機構(PMDA)への製造販売承認申請(NDA)は2023年中に行われる予定である。
武田薬品は、本年3月にHUTCHMED社と中国国外でのフルキンチニブのグローバル開発、商業化および製造をさらに進めるための独占的ライセンス契約を締結している。