ギリアドは18日、IBDネットワークとともに5月19日の「IBDを理解する日」に向け、潰瘍性大腸炎患者向け漫画集「マンガで分かる!潰瘍性大腸炎患者さんのよくある質問」を発行したことを明らかにした。
同漫画集は、潰瘍性大腸炎への正しい理解促進を目的に、IBD患者のオンライン上コミュニティ「Gコミュニティ」と共同制作したもの。
潰瘍性大腸炎は炎症性腸疾患(IBD)のひとつで、大腸の粘膜に炎症を呈する慢性疾患である。厚労省の定める指定難病の1つとされ、国内の推定患者数は 約22万人である。
近年、患者数が増加傾向にあり、また潰瘍性大腸炎に関する情報源のひとつにインターネットやSNSが挙げられることを鑑み、潰瘍性大腸炎と診断されて間もない患者とその家族や周辺の人々に患者の「よくある質問」を理解して貰うために、テーマごとに4コマ漫画形式にまとめた漫画集を制作した。
同漫画集は、全国の患者団体を組織化したIBDネットワーク(http://ibdnetwork.org/)の知見に加え、IBD患者のオンライン上のコミュニティ「Gコミュニティ」(https://gcarecommunity.com/)に属する患者とその保護者を対象に実施したアンケート結果を活用。患者の実態により即した情報をまとめた内容になっている。
今回発行されるのは全41本のうち、最初の10本である。残り31本は今秋に完成予定で、いずれもギリアドのホームページにて随時公開していく。「マンガで分かる!潰瘍性大腸炎患者さんのよくある質問」の概要は次の通り。
◆テーマ
・潰瘍性大腸炎って何?
・元気な「寛解期」と調子の悪い「再燃期」がある
・症状が悪化するのはどんな時?
・上手に診察してもらうには?
・学校生活と通院、入院の両立
・発病後、職場でいつ病気を伝えた?
・病気の子供への接し方
・楽しく旅行するには?
・好きな人ができた時、病気を伝えている?
・出産後の病気と育児
◆総数
・5月18日:10本
・今秋迄:31本
◆形式
・データ
https://www.gilead.co.jp/-/media/gilead-japan/images/our-purpose/partnerships-and-community/230515_ibd-manga.pdf
・印刷(予定)
・動画(予定)
◆同漫画集監修の日比紀文北里大学研究所病院特別顧問のコメント
潰瘍性大腸炎の患者さんは発症時の年齢や性別、そのライフステージの状況によって日々の生活における疑問や心配事も変わってくる。最近の治療の進歩により、多くの患者さんは普通の生活ができるようになった。
情報が溢れる現代において、適切な情報を適切なタイミングで患者さんが入手することは治療を受ける上でも大切である。今回このように漫画という若い人にも馴染みのある形式で分かりやすく情報を提供することは価値のあることだと思う。
◆秀島晴美IBDネットワーク理事長のコメント
当法人は、全国の潰瘍性大腸炎やクローン病のIBD患者会や患者同士が繋がることで、正しい情報や知識の共有だけでなく、IBD患者が希望をもって生きていける社会を目指して様々な活動を行っている。
患者同士の繋がりを大切にしている組織であるが、新型コロナの流行により、患者同士の対面での交流は難しくなった。
また、インターネットやSNSの普及が進んだことで簡単に情報が得られるようになった反面、溢れる情報の中で不安を募らせたり、誤った情報を受け取ることが起こるようにもなった。
そういった状況に対し、当事者団体としてできる情報発信を考えた。今回の「マンガで分かる!潰瘍性大腸炎患者さんのよくある質問」は、当法人だけでなく、インターネット上でのIBD患者のコミュニティ『Gコミュニティ』を運営されているグッテにご協力頂き、新たに患者となった若い世代の方々に正しい情報を分かりやすく提供することを目的に作成している。
◆ケネット・ブライスティングギリアドの代表取締役社長のコメント
今回のIBDネットワーク、Gコミュニティとの取り組みは、患者さんのニーズに応えるという当社の姿勢を反映するものである。必要な情報をより多くの患者さんに適切なタイミングと方法でご提供できる機会となれば大変光栄に思う。