早老症治療薬lonafarnib 厚労省が希少疾病医薬品に指定 アンジェス

 アンジェスは28日、国内承認申請に向けて準備を進めている早老症治療薬「lonafarnib(米国販売名:Zokinvy)」について、厚生労働省により希少疾病医薬品(オーファン・ドラッグ)に指定されたと発表した。
 対象疾患は、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)及びプロセシング不全性のプロジェロイド・ラミノパチー(PL)。
 厚生労働省は、日本の対象患者数が5万人未満であり、重篤な疾病の治療手段として特に医療上の必要性が高いことなどを条件に、希少疾病用医薬品を指定している。
 希少疾病用医薬品の指定を取得すれば、優先審査のほか、指定の適応症に対して承認を取得した場合には10年間の再審査期間が認められるなどのメリットや支援措置を受けることができる。
 Zokinvyは、米国のEiger BioPharmaceuticalsが販売するHGPS及びプロセシング不全のPL治療薬として、2020年11月に米国で承認された。アンジェスは、2022年5月に日本国内における独占的販売契約を同社と提携した。
 同剤は、HGPSやプロセシング不全のPL患者において、核膜と強固な結合を形成するファルネシル化した変異タンパク質(細胞の不安定化と早期老化を惹起)の蓄積を阻害する。
 P3試験では、小児及び若年成人のHGPSの患者において、死亡率を60%減少させ(p=0.006)、平均生存期間を2.5年延長(p=0.005)させることができた。
 最も多く報告された副作用は消化器系(嘔吐、下痢、悪心)で、その殆どが軽度または中等度(グレード 1 または 2)であった。
 Zokinvyで治療された HGPS及びプロセシング不全性のPL患者の多くは、10 年以上にわたってZokinvyでの治療を継続している。
 なお、今回の希少疾病医薬品の指定にあたり、特段の費用は発生しない。今後、開示すべき事象が発生した場合には速やかに公表する予定である。

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