16日に「医学系研究をわかりやすく伝えるための手引き」の改善・発展でオンラインシンポ開催 埼玉県立大学

 埼玉県立大学は、3月16日に「『医学系研究をわかりやすく伝えるための手引き』~手引きの改善と発展~」をテーマとしたオンラインシンポジウムを開催する。同シンポジウムは、 医療者、研究者、医療系メディア、一般人が協働して誤解のないコミュニケーションを提案することを目的としたもので、参加費は無料。
 『医学系研究の成果をわかりやすく伝えるための手引き』作成事業は、日本医療研究開発機構(AMED)が実施する研究開発推進ネットワーク事業(国民に向けた医学系研究の情報発信)の一つである「医療情報をわかりやすく発信するプロジェクト(2022年度研究代表者:山田恵子埼玉県立大学准教授)」により進められた。
 コロナウイルスのパンデミックの影響もあり、正確な医学系研究の情報を伝えることの重要性が再認識されている。だが、情報の発信元としての研究者が、誤解なく研究を伝えるための日本語での手引きがないことが問題となった。
 こうした中、同プロジェクトでは、2021年度に『医学系研究の成果をわかりやすく伝えるための手引き』を提案し、HP上などで公開している。
 本年度は、手引きを使ったワークショップや意見交換、一般の方と医療関係者双方に実施したアンケートの解析、大規模な用語調査などを行った。そこから、医学研究用語は単に難しいだけでなく、一般とは違う使い方をされているという問題が浮かび上がってきた。
 例えば、医学系研究では「信頼性」という用語は、同じ条件で実験などを得られる結果が一致していること、つまり「再現性」という意味で使われる。だが、普通は「信用」「頼りになると信じること」という意味で使われるため、一般人は医療においても「確実な治療効果があること」と捉えがちである。こうした医療者と一般人の認識のずれを解消することが、より良いコミュニケーションにつながると考えられる。
 オンラインシンポジウムでは、医学系研究を誤解する原因の詳しい調査・分析結果、手引きを普及させていくための取り組みや実際の使い方などを紹介。
 さらに、医学系研究でのミス・コミュニケーションを減らす方法や、今後の手引きの展望について、多彩な背景を持つシンポジストがパネルディスカッションを行い、会場からの質問もチャットで受ける。同シンポジウムの開催概要およびプログラムは次の通り。

【開催概要】

◆日時:2023年3月16日(木)14:00〜15:30

◆形式:オンラインセミナー(Zoom Webinar配信)

◆参加費:無料

◆定員:500名

◆主催:埼玉県立大学

◆協賛:日本医療研究開発機構(AMED)

◆申込み方法:WEB申込フォームより申込む https://forms.gle/Ry7Qnhgi2ewqe1WQ7

【プログラム】

◆ 事業概要の説明
埼玉県立大学保健医療福祉学部准教授 山田恵子氏

◆ 普及活動の成果報告東京大学医学部附属病院 企画情報運営部 特任研究員 早川雅代氏

帝京大学大学院公衆衛生学研究科 研究員、ヘルスライター 小川留奈氏

認定NPO法人ささえあい医療人権センター COML 理事長 山口育子氏

青山学院大学文学部 准教授田中祐輔氏

◆ パネルディスカッション(コーディネーター 東京大学 未来ビジョン研究センター 特任准教授 井出博生氏)

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