大阪府薬剤師会は2日、定例記者会見を開催し、乾英夫会長が1月26日からスタートしている電子処方箋の対応整備状況について言及。
1月20~23日の4日間、会員保険薬局を対象に実施した電子処方箋対応についてのアンケート調査結果を踏まえて、「アンケート期間が短かったため回答率は1/3であったが、積極的に対応している現況が判った」と強調した。
さらに、乾氏は、大阪医科薬科大学病院敷地内の‟アイン薬局高槻大学町店”(大阪府高槻市大学町2-7 1号館1F)について、「2月1日に保険薬局指定が下りた」と報告した
電子処方箋対応についてのアンケート調査は、大阪府下3565保険薬局を対象に実施され、1173薬局が回答した(回答率32.9%)。調査結果では、「オンライン資格確認の補助金」について、「申請完了」が818軒(69.7%)、「システム導入したが完了していない」が267軒(22.8%)、「同資格確認を導入していない」が88軒(7.5%)であった。
また、「管理薬剤師がHPKIカードを取得した」は341軒(29.1%)、「管理薬剤師がHPKIカードを申請したが未だ取得できていない」は594軒(50.6%)、「管理薬剤師が取得申請していない」は238軒(20.3%)を数えた。
管理や薬剤師以外で「HPKIカードを取得した薬剤師がいる」薬局は24軒(2.0%)、「申請した薬剤師がいるが、未だ取得していない」薬局は195軒(16.6%)、「申請していない」薬局は954軒(81.3%)であった。
「ポータブルサイトでHPKIカードの発行申請完了」については、登録済407軒(34.7%)、未登録766軒(65.3%)。
「ポータブルサイトでの電子処方箋利用申請」状況では、登録済220軒(18.8%)、未登録953軒(81.2%)に上った。
各薬局での電子処方箋への対応整備状況は、「1月26日より対応可能」が25軒(2.1%)、「3月31日までに対応予定(準備中)」が615軒(52.4%)、「4月1日以降に対応予定(準備中)」が429軒(36.6%)、「現時点では対応する予定はない」が104軒(8.9%)であった。
これらの調査結果について堀越博一常務理事は、「オンライン資格確認システムは、90%以上の薬局が導入している。HPKIカードについても管理薬剤師の80%以上が取得申請しており、管理薬剤師以外でも18.6%が申請している」と分析。その上で、「電子処方箋への対応は概ね順調に進んでいる」と考察した。
さらに、「アンケート調査では、ベンダーサイドの理由で導入できないケースも浮き彫りになり、各薬局の意向だけでは電子処方箋への対応は進まないことも判った」と説明した。
なお、1月22日現在、ポータルサイトから電子処方箋に対応している大阪府内の病院・診療所は皆無で、薬局は5件あった。
一方、電子処方箋対応のための費用は、◆オンライン資格確認の導入で上限42.9万円(令和5年3月末までその1/2を補助)、◆HPKIカード取得で、日薬会員1万9800円(令和5年3月末まで5500円補助)、非会員2万6400円(同)、◆電子処方箋システム改修(レセプト電算化システム改修、接続周辺機器費用、システム適用作業費用など)で、上限38.7万円(令和5年度導入完了した施設で大型チェーン薬局ではその1/4、通常薬局ではその1/2を補助)を要する。
乾会長は、「各保険薬局にとって、これらの費用負担は大きい。日本薬剤師会、日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)、日本保険薬局協会(NPhA)が連携して国に全額補助またはさらなる補助を要望している」と説明。
その上で、「アンケート調査では、3月31日までに電子処方箋への対応を予定している薬局が50%を超えているが、補助の目途が立たなければさらなる推進は難しい状況下にある。我々もしかるべき所に訴求していきたい」と語気を強めた。
尾島博司大阪府薬政治連盟会長は、「‟鈴木りえを応援する会”を3月11日に大阪市立中央会館ホールで開催する」と告知した。
大阪府薬理事、同連盟副会長の鈴木氏は、4月に行われる統一地方選挙で大阪市会議員中央区選挙区において自民党より立候補する。