camizestrant 進行乳がんP2試験でフェソロデックスより無増悪生存期間有意に延長 アストラゼネカ

 アストラゼネカは8日、次世代経口選択的エストロゲン受容体分解薬(SERD)「amizestrant」について、ER陽性の進行乳がん患者を対象としたP2相試験(SERENA-2試験)においてフェソロデックスよりも無増悪生存期間を有意に延長したと発表した。
 SERENA-2試験では、camizestrantが、進行乳がんに対して内分泌療法による治療歴があり、エストロゲン受容体(ER)陽性の局所進行または転移性乳がんを有する閉経後の患者を対象に、フェソロデックス(フルベストラント)500 mgと比較して、75 mgおよび150 mgの両用量で主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)において統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示したもの。
 Camizestrantの忍容性は良好であり、安全性プロファイルは過去の試験で認められたものと一貫しており、新たな安全性上の懸念は確認されなかった。
 乳がんは、世界中で最も多く診断されているがんであり、2020年に診断された患者は推定230万人である。乳がんの約70%は、ホルモン受容体(HR)陽性およびHER2低発現または陰性であると考えられている。
 内分泌療法は、HR陽性乳がんの治療に広く行われているが、多くの進行乳がん患者が一次治療であるサイクリン依存性キナーゼ4/6(CDK4/6)阻害薬およびER標的療法に対する耐性を発現するため、さらなる治療選択肢が必要とされている。
 同試験の詳しい結果は、今後の医学学会で発表される予定である。

◆SERENA-2試験治験責任医師のMafalda Oliveira氏(Vall d‘Hebron Institute of Oncology)のコメント
 SERENA-2試験の結果は、HR陽性の乳がん患者さんの治療として約20年間使用されているフルベストラントと比較してcamizestrantが無増悪生存期間の有意な延長をもたらしたことを示している。
 この結果は、次世代経口SERDの可能性を明らかにし、進行中の研究プログラムを後押しする大きな意味を持つものである。

◆Susan Galbraithアストラゼネカオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントのコメント
 次世代経口SERDであるcamizestrantによって我々が目指しているのは、HR陽性の早期および転移性乳がん患者さんに対する内分泌療法の改善である。
 SERENA-2試験から得られたcamizestrantの有効性と安全性は、ERが関与する乳がん患者さんにおいてこの目標を達成する可能性を強く示唆するものであり、camizestrantに関する包括的な第Ⅲ相臨床開発プログラムが更に前進することを期待している。

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