MSDは19日、開発中のアクチビン受容体IIA-Fc(ActRIIA-Fc)融合タンパク質sotaterceptについて、成人の肺動脈性肺高血圧症(PAH)を対象としたP3相STELLAR試験で、良好なトップラインデータを得たと発表した。同臨床試験は、安定した用量で実施中のPHAの基礎療法への追加療法としての安全性と有効性を評価するもの。
同試験の主要評価項目であるベースラインから24週時の6分間歩行距離(6MWD: 6-minute walking distance、6分間に歩ける距離を測定)は、統計学的に有意かつ臨床的に意味のある改善を示した。
副次評価項目では、9項目中8項目で統計学的な有意差が示された。これには複合的な評価項目の改善(6MWDの改善、N末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)値の改善、かつWHO 機能分類(FC)の改善またはWHO FC IIの維持と定義)を示した患者の割合や、死亡または最初の臨床的悪化イベントまでの時間(TTCW: time to clinical worsening)などがあった。
副次評価項目の最終項目(9番目)として評価したPAH-SYMPACTの認知的/感情的影響ドメインスコアについては、統計学的な有意差が示されなかった。
STELLAR試験におけるsotaterceptの全般的な安全性プロファイルはP2試験で確認された結果と概ね一貫していた。この試験結果は今後の医学学会で発表される予定である。
◆Dean Y. Li MSD研究開発本部プレジデント(博士)のコメント
P3相STELLAR試験においてsotaterceptを既承認の基礎療法に追加投与したところ、主要評価項目であるベースラインから24週時における6分間歩行距離が改善し、顕著な効果が認められた。副次評価項目においても、臨床的な悪化までの時間について良好な結果が認められたことなどは特に注目に値する。
全体として、STELLAR試験の結果は、sotaterceptがPAHの治療を大きく変革する可能性を示していると考えている。この治験薬を患者さんにお届けできるよう承認申請を速やかに進めていきたい。