小野薬品は22日、プロテアソーム阻害剤「カイプロリス点滴静注用について、再発または難治性の多発性骨髄腫に対する用法・用量追加承認を国内取得したと発表した。
今回の追加承認により、デキサメタゾンとの2剤併用療法において、1サイクル目の1 日目のみ20mg/㎡、それ以降は70mg/㎡を週1 回点滴静注する用法及び用量が追加された。
既に承認されているカイプロリスの投与方法は、いずれも週2回投与を必要としていたが、今回の追加承認により、利便性に優れた週1回投与が可能となる。
多発性骨髄腫は、骨髄中にある形質細胞の異常により引き起こされる血液がんで、日本国内における総患者数は約2万5000人と報告されている。現在、多発性骨髄腫に対する治療法は複数存在するが、寛解と再発を繰り返し進行する、もしくはどの治療法も有効でなくなる難治性の病状に移行する場合も少なくない。
また、長期的な治療では副作用や合併症が報告されており、治療に難渋するケースがあり、多発性骨髄腫に対する新たな治療薬の開発が期待されている。
今回の追加承認は、再発または難治性の多発性骨髄腫を対象に、週1回投与のカイプロリス20/70mg/㎡ およびデキサメタンの併用療法と週2回投与のカイプロリス20/27mg/㎡およびデキサメタゾンの併用療法の有効性と安全性を比較した国際共同多施設無作為化非盲検P3試験(ONO- 7057-06/A.R.R.O.W.)の結果に基づくもの。
同試験の主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)であり、PFSの中間解析の結果、PFSの中央値は、週 2 回投与群の7.6カ月に対し、週1回投与群は11.2カ月と、統計学的に有意に PFS を延長した(ハザード比 =0.69;95%信頼区間:0.54-0.88)。
両投与群で治療中に頻繁に(20%以上)発生した有害事象は、貧血、下痢、疲労、高血圧、不眠症、発熱であった。