エンタイビオ 潰瘍性大腸炎対象P4試験で好結果 武田薬品

 武田薬品は20日、エンタイビオについて、潰瘍性大腸炎(UC)を対象したP4試験(VERDICT試験)で好結果を得たと発表した。
 VERDICT試験は、UCの成人患者にエンタイビオを静脈内(IV)投与し、副腎皮質ステロイド非使用(CSF)での疾患クリアランスを目標とした治療と、CSFでの症候的寛解のみを目標とした治療を比較したもの。
 その結果、疾患クリアランスを目標とした治療では、症候的寛解のみを目標とした治療と比べ、UC関連合併症が初めて発現するまでの期間が有意に延長し(ハザード比0.33[95%信頼区間0.17~0.67]、P=0.0014)、UC関連合併症のリスクは約70%低下した。
 VERDICT試験は、中等症から重症のUC治療において、疾患クリアランスが達成可能かつ臨床的に意義のある治療目標であることを、前向き無作為化試験として初めて提示した。同試験結果は、2026年のUnited European Gastroenterology (UEG)Weekで発表され、United European Gastroenterology Journalに掲載された。VERDICT試験で治療目標を達成した患者集団における主な結果は、次の通り。

◆エンタイビオによる治療後、無作為化された患者さんの約60%(400/672例)が48週までに割り付けられたCSF目標を達成(グループ1: 137例[74.1%]、グループ2: 125例[56.3%]、グループ3: 138例[52.1%])

◆疾患クリアランス群(グループ3)では、症候的寛解群(グループ1)と比べ、初回のUC関連合併症発現までの期間が延長し(ハザード比 0.33、95%信頼区間 0.17~0.67、P=0.0014)、主要評価項目を達成

◆エンタイビオによる厳格な複合治療目標である疾患クリアランスを目指した治療により、治療目標達成後80週までのUC関連合併症リスクが約70%低下

◆CSFで臨床的寛解および内視鏡的寛解を達成した患者(グループ2)の80%以上が、48週時点で組織学的寛解も達成

◆グループ2とグループ3では、UC関連合併症発現までの期間は同程度(1.10[0.45~2.69]、P=0.8023)

◆51件のUC関連合併症が発現し、最も多かったのは救済療法の使用

◆有害事象の発現率は各群で同程度であり、より厳格な目標に向けた治療強化やエンタイビオの投与頻度増加による影響は認められず

 96週間を通じて示された安全性プロファイルは、これまでに報告されたデータと概ね一貫しており、新たな安全性シグナルは認められなかった。主な有害事象(≥5%)は、潰瘍性大腸炎、貧血、血便、新型コロナウイルスへの感染、インフルエンザ、鼻咽頭炎および関節痛であった。

◆VERDICT試験筆頭著者のVipul Jairath氏(Western University医学部教授、Alimentiv社chief medical officer)のコメント
 目に見える炎症と顕微鏡レベルの炎症の両方に対処し、より深い寛解を達成することが、潰瘍性大腸炎の長期的な負担軽減につながるかについて、近年議論が高まっている。
 VERDICT試験の結果は、Treat-to-Targetの導入が疾患経過を変える可能性を示唆している。また、16週以内に、より深く持続的な疾患コントロールを目指すエンタイビオを用いた治療のエビデンスをさらに強化するものである。

◆Vijay Yajnik武田薬品消化器系・炎症性疾患領域、グローバルメディカルアフェアーズ バイスプレジデントのコメント
 潰瘍性大腸炎の患者さんは、症状が緩和しても、体内で起きていることの全容を把握できるとは限らない。副腎皮質ステロイドを使用せずに深い治癒と疾患コントロールを達成することは、重要な治療目標である。
 VERDICT試験のデータは、投与開始後16週以内に疾患クリアランスを含むアウトカムの達成における腸管に選択的に作用するENTYVIOの可能性をさらに裏付けるとともに、生物学的製剤による治療歴のない患者さんにおける腸管機能の回復を示唆する新たな分子・細胞レベルのエビデンスを提供するものだ。
 VERDICT試験は、潰瘍性大腸炎の治療戦略や標準治療をめぐる複雑な課題の解明に向け、エビデンスの創出に取り組む当社の姿勢を示したものである。

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