武田薬品は29日、開発中の1日1回投与経口チロシンキナーゼ2(TYK2)阻害薬「ザソシチニブ」(TAK-279)について、尋常性乾癬を対象としたP3試験(LATITUDE PsO 3001試験および3002試験)において、約70%の患者が16週時点で皮膚症状の消失またはほぼ消失(sPGA 0/1)を達成したと発表した。
プラセボと比較し、有意に高いPASI 75達成率が、4週時点という早期から認められ、迅速かつ持続的な皮膚症状の改善効果および乾癬治療を変革する可能性が示唆された。同データは、2026年米国皮膚科学会(AAD)年次総会において報告された。武田薬品は、2026年度より米国FDAおよびその他の規制当局に対し、新薬承認申請を行う予定だ。
LATITUDE PsO 3001試験および3002試験では、16週時点において、ザソシチニブ投与患者の71.4%および69.2%が、医師総合評価(sPGA)スコア0/1を達成した。
これは、プラセボ群の10.7%および12.6%、アプレミラスト群の32.1%および29.7%と比較して有意に高い結果であった(p<0.001)。
16週時点において、ザソシチニブ投与患者の61.3%および51.9%が、PASI(乾癬の面積と重症度を表す指標)90を達成した。これは、プラセボ群の5.0%および4.0%、アプレミラスト群の16.8%および15.9%と比較して有意に改善した(p<0.001)。
また、ザソシチニブは、尋常性乾癬患者の治療目標として重要度が高まっている皮膚症状の完全な消失(クリアスキン)においても、統計学的に有意な改善を示し。
16週時点において、ザソシチニブ投与患者の39.9%および33.7%が、sPGAスコア0を達成した。これは、プラセボ群の0.7%および1.4%、アプレミラスト群の8.0%および6.5%と比較して有意な改善を示した(p<0.001)。
16週時点において、ザソシチニブ投与患者の33.4%および25.2%が、PASI 100を達成した。これは、プラセボ群の0.7%および1.1%、アプレミラスト群の2.9%および4.3%と比較して有意な改善を示した(p<0.001)。
LATITUDE PsO 3002試験では、プラセボ群と比較して、4週時点という早期から有意な効果が確認された(PASI 75:ザソシチニブ群16.8%、プラセボ群4.3%、p<0.001)。
また、40週時点においてPASI 75、PASI 90またはsPGA 0/1を達成し、試験期間を通じてザソシチニブ投与を継続した患者のうち、90%以上が60週時点でもその効果を維持する結果となった。
ザソシチニブの忍容性は概ね良好な結果を示しており、P3試験におけるザソシチニブの安全性および忍容性プロファイルは、これまでの試験結果と一貫していた。
両試験を通じた主な結果は次の通り。
・16週時点までに生じた有害事象(TEAE)の発現率は、ザソシチニブ群62.1%、プラセボ群46.9%、アプレミラスト群50.5%であった。
・ザソシチニブを投与された患者さんで16週時点までに最も多く認められた有害事象(5%以上)は、上気道感染(10.1%)、鼻咽頭炎(6.2%)、ざ瘡(6.5%)であり、新たな安全性シグナルは認められなかった。
・16週時点までの重篤なTEAEの発現率は、ザソシチニブ群3.0%、プラセボ群1%未満、アプレミラスト群1.5%であった。
◆LATITUDE PsO試験の治験責任医師のMelinda Gooderham氏(SKiN Centre for Dermatology皮膚科医、MSc, MD, FRCPC)のコメント
乾癬治療における我々の目標は、皮膚症状の完全な消失(クリアスキン)またはほぼ消失であり、これまでは主として注射製剤によって達成されてきた。
今回の有効性および安全性の結果は、1日1回投与の経口薬でも迅速かつ持続的な皮膚症状の改善が可能であることを示しており、ザソシチニブが尋常性乾癬に対する主要な経口治療の選択肢となる可能性を示している。
なお、同件は、2026年3月期通期連結業績予想に重大な影響を与えるものではない。
◆Chinwe Ukomadu武田薬品消化器系・炎症性疾患領域ユニットヘッド、シニア・バイスプレジデント( M.D., Ph.D.)のコメント
今回のP3試験結果は、高度に選択的なTYK2阻害薬により、中等症から重症の尋常性乾癬の多くの患者さんに、皮膚症状の完全な消失またはほぼ消失をもたらす可能性があることを示している。
また、これらの良好なデータは、ザソシチニブが第2b相臨床試験と一貫した良好な安全性プロファイルのもとで、迅速かつ持続的な効果をもたらすザソシチニブの可能性を裏付けるものである。
我々は、安全で有効、かつ利便性の高い経口治療を求める患者さんに新たな治療選択肢を提供できるよう、規制当局との連携を可能な限り迅速に進めていく。

