医療×芸術の協働で治験説明アニメーション・マンガの提供開始 アストラゼネカ

 アストラゼネカは17日、医療×芸術の協働により“治験をもっとわかりやすく”患者の心理的負担を軽減するための説明アニメーション・マンガの提供を開始したと発表した。
治験に関する患者や患者の家族の理解を支援する取り組みとして、京都芸術大学と協働し、アニメーションおよびマンガコンテンツを制作し、アストラゼネカのウェブサイト(https://www.astrazeneca.co.jp/patient/clinical-trial.html)で提供を開始したもの。
 治験は、新しい薬や治療法が医療現場で適正に使用されるためにも不可欠なプロセスだが、治験について初めて説明を受ける患者や家族にとっては、情報が多岐にわたるうえに専門用語が多いためその理解は簡単ではない。治験を説明する医療従事者にとっても説明に時間を要するという課題が存在している。
 今回の取り組みは、こうした課題と向き合うアストラゼネカと京都芸術大学とが産学連携し、2025 年春より、同大学のキャラクターデザイン学科の授業の一環として開始された。患者・家族と医療者のコミュニケーションを支え、治験の同意説明(インフォームド・コンセント)プロセス全体の質を高めることを出発点に検討を重ね、その成果として、患者・家族が治験をより深く理解し、より身近に感じられるよう、治験同意説明文書を補完する情報資材に加え、治験そのものの理解を促進するコンテンツ制作へと展開した。
 制作にあたっては、治験に馴染みのない学生の視点や感性を取り入れ、伝わりやすさと受け止めやすさの向上を図っている。コンテンツ制作においては、「治験がどのように進められるのか」「治験に参加した場合の費用や補償について」「治験中に起こり得る体調変化や副作用への対応」など、説明時に患者や家族から多く寄せられる質問を整理し、文章による説明を補足する目的で、視覚的にわかりやすい情報提供を目指した。

 同大学の学生はアストラゼネカ社員および CRC(治験コーディネーター)から治験に関する説明を受け、制作過程でも継続的に意見やアドバイスを取り入れながらコンテンツを制作した。
 なお、完成したコンテンツは、昨年 11 月 1 日・2 日に開催された同学科の学科展で発表された。

コンテンツの一例

◆長谷川一男NPO法人肺がん患者の会ワンステップ理事長のコメント
 治験の情報はとても複雑であるが、これらのコンテンツではさまざまなアイデアで治験がわかりやすく説明されており、とてもありがたいと感じる。
 パペットやふわんあん、ニコニコ、モヤモヤなど、キャラクターもアイデアにあふれており、非常に良いと思う。こうした工夫があると、難しい内容も自然と頭に入り、私たち患者や家族も落ち着いて考えることができる。納得して治験参加を判断するための材料が増えることを、心強く感じている。

◆芳賀洋子がん研究会有明病院 先進がん治療開発センター臨床試験支援部CRC のコメント
 学生との共同企画に参加し、医療現場の実感と次世代の新しい視点が交わることで、治験説明の伝わり方がより広がると感じている。
 これまでも絵や図を用いて説明を行ってきたが、よりストーリー性のあるアニメーションやマンガで説明することで患者さんの理解や安心感を高めることができると期待している。
 また、この新たな資材が治験啓発だけでなく、私たち CRC の患者さんとのコミュニケーションの向上にも寄与できると考えている。

◆ヴィクラム チャンドアストラゼネカ取締役研究開発本部長のコメント
 今回の取り組みは、医療と芸術という異なる分野の協働により、医療現場での説明支援と患者さんの心理的負担の軽減を目指すものだ。
 治験における“わかりにくさ”である専門的な説明文書や制度の壁を、マンガやアニメーションという新たなアプローチで “人に届く言葉”に変えるという挑戦であった。学生の自由で感性豊かな表現と、当社の医薬品開発の知見が融合し、新しい医療コミュニケーションの可能性が拡がり、患者さん・ご家族・医療従事者が対話しやすい環境が生まれることを心から期待している。

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