アトピー性皮膚炎治療薬候補「ロカチンリマブ」 臨床試験中止 協和キリン

 協和キリンは3日、開発中のアトピー性皮膚炎治療薬候補「ロカチンリマブ」について、全ての臨床試験を中止すると発表した。
 ロカチンリマブは、中等症から重症のアトピー性皮膚炎、中等症から重症のコントロール不十分な喘息、および結節性痒疹を対象疾患として評価が進められていた抗OX40モノクローナル抗体の治験薬である。 臨床試験中止の決定は、ここ数週間にわたり実施された最新の安全性レビューにおいて、ウイルス性または免疫関連の関与が疑われる悪性腫瘍に関する新たな懸念が確認されたため。
 これらの最新の安全性情報に基づき、協和キリンとアムジェンは、「対象となる患者集団において想定されるベネフィットに対して潜在的なリスクが上回る可能性がある」との結論に至った。同判断は、これまでに報告されてきた安全性リスクを含む、新たに得られた安全性情報の総合的な検討結果を反映したものだ。
 ウイルス性または免疫関連の関与が疑われる悪性腫瘍に関する新たな懸念としては、以前に確認されたカポジ肉腫の1例に加え、新たに確定診断された1例と疑いのある1例が含まれており、OX40 経路の調節との間に機序的関連が存在する可能性を示唆している。
 プログラム全体における悪性腫瘍の発現件数は、依然として予想される自然発現率を下回っているものの、これらの症例の特性を踏まえると、生物学的に妥当な懸念が生じ得ることは否定できない。
 協和キリンとアムジェンの両社は、現在、臨床試験責任医師および各国の規制当局への通知を進めている。治験参加者が必要な安全性フォローアップを完了した後、すべての試験は正式に終了となる。今後、全データセットの包括的な解析を共同で実施し、評価が完了次第、追加の情報を提供する予定である。
 
◆アブドゥル・マリック協和キリンの代表取締役社長兼最高執行責任者(COO)のコメント
 安全で有効な治療法を患者さんにお届けしたいと考えていただけに、非常に残念な結果である。ロカチンリマブは、ROCKET プログラムにおいて、中等症から重症のアトピー性皮膚炎に対する持続的かつ臨床的に意義のある有効性を示してきた。
 だが、安全性プロファイルが変化してきており、患者さんの安全が常に最優先事項であるため、今回の断固たる、かつ慎重な判断を下した。望んでいた結果ではないが、私たちの取り組みは決して無駄ではない。
 本プログラムから得られた知見は、OX40経路のより広範な理解と今後の研究活動に有意義に貢献するものと考えている。

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