糖鎖工学研究所とAI創薬の実証実験開始 FRONTEO

 FRONTEOは5日、糖鎖工学研究所(本社:京都市)とFRONTEOが提供するAI創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory」(DDAIF)を活用した新規標的分子候補および適応症探索を行うPoC(実証実験)契約を締結したと発表した。糖鎖工学研究所は、糖鎖修飾および製造技術を基盤にバイオ医薬品の開発・改良を行うバイオベンチャーだ。
 FRONTEOは、国内の製薬企業やバイオベンチャーとの共同研究・PoCを推進しており、同契約はその取り組みの一環として、糖鎖修飾を基盤とする創薬研究分野において実施されるもの。 
 糖鎖工学研究所は、大塚化学からスピンアウトして設立された糖鎖技術の専門企業であり、糖鎖の設計・合成から量産までを一貫して手がける独自技術を強みとしている。高純度かつ構造の均一な糖鎖および糖鎖修飾分子を提供することで、バイオ医薬品やペプチド医薬品などの研究開発を支援しており、糖鎖技術による薬剤特性の改善や新規治療法創出を目指した研究開発にも取り組んでいる。
 こうした取り組みが評価され、経済産業省による有望スタートアップ選定プログラム「J-Startup 2021」にも選定されている。
FRONTEOは、自社開発AI「KIBIT(キビット)」を活用し、既知の学術文献には記載されていない疾患と標的分子の潜在的関連性を抽出する独自の自然言語処理技術を有している。AI創薬支援サービス「DDAIF」は、創薬研究における新規標的分子候補探索や疾患メカニズム解析を支援するサービスとして、製薬企業や研究機関において活用されている。
 同PoCでは、「糖鎖修飾ソマトスタチン」(開発コード:GT-02037)をはじめとする糖鎖工学研究所の研究テーマを対象に、「DDAIF」を活用した新規標的分子候補および適応症の探索を実施する。
 両社の技術と知見を組み合わせることで、糖鎖技術の創薬ポテンシャルを多角的に評価し、新たな医薬品・治療法創出の選択肢を広げるとともに、アンメット・メディカル・ニーズの解消に寄与することを目指す。

◆豊柴 博義FRONTEO取締役/CSO(Chief Science Officer)のコメント
 FRONTEOは、独自のAIと解析技術により、世界でまだ論文に報告されていない疾患と標的分子の関係性や疾患メカニズムを文献情報から非連続的に見出すことを強みとしている。
 今回、当社の「DDAIF」と糖鎖工学研究所の革新的な糖鎖研究・製造技術を融合させることで、糖鎖の生体内環境に近い分子設計が可能であるという特徴を生かしつつ、受容体への結合性向上や複数の受容体に対して作用するマルチターゲット型バイオ医薬品開発など、新規治療への応用可能性を大きく広げられることを期待している。本PoCが、革新的医薬品の創出とアンメット・メディカル・ニーズの解消、日本の創薬産業の発展に貢献することを願っている。

◆朝井洋明糖鎖工学研究所代表取締役社長のコメント
 糖鎖工学研究所では、糖鎖を利用した創薬技術の構築題材として、ソマトスタチンへ糖鎖を付加した開発候補品を創成した。ソマトスタチンは、多くの臓器で働く重要なペプチドホルモンだが、生体安定性の問題によって天然物のままでは薬としての利用が難しい化合物である。
 それらの欠点を改善したGT-02037は、既に臨床試験において先端巨大症患者への投与において良好な結果を得ている。GT-02037は、5種類の受容体に対応するため多様な疾患の治療薬としても期待されている。我々は、FRONTEOの「DDAIF」を利用することによりアンメット・メディカル・ニーズへの応用展開を期待している。

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