東和薬品と大塚製薬は21日、医薬品製造における戦略的な協業体制構築に向けた基本合意を締結したと発表した。同合意は、大塚製薬の長期収載品の安定供給に向けた承継・製造委受託、先発医薬品における戦略的な相互バックアップ体制の構築を目的としたもの。
これにより、東和薬品と大塚製薬は、大塚製薬が保有する一部の医薬品の承継および製造委受託、並びに戦略的協業品目のライセンス活用を通じて、医薬品の安定供給の実現を目指す。
今回の基本合意締結は、近年社会的課題となっている医薬品の供給不安の解消を図るもので、先発医薬品企業とジェネリック医薬品企業の枠を越えた協業の取り組みとなる。
具体的には、長期収載品かつ基礎的医薬品を優先(品目は順次拡大予定)し、大塚製薬が保有する一部の医薬品に対して東和薬品が承継を前提に製造受託。東和薬品の後発品開発時に、大塚製薬のライセンスを活用し、相互のバックアップ生産体制を構築するというもの。本年3月以降、両社が合意した品目の生産準備が整い次第順次実施していく。
政府は「後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会」の報告書の中で、後発医薬品業界に対し、国民医療の基盤たる産業として、品質の確保された医薬品を安定的に供給する社会的責任を自覚し、将来にわたって持続可能な企業、産業となるよう、自ら率先して産業構造改革を行うよう提言している。
一方で、後発品の供給不安に端を発する医薬品不足の状況が依然として続いており、厚労省の発表によると、2025年10月時点で、全医療用医薬品の14%(2208品目)が限定出荷・供給停止の状況となっている。加えて、長期収載品が後発品に急速にシフトする中で、長期収載品を製造する先発医薬品企業が長年蓄積してきた製造技術やノウハウなど国内医薬品産業の貴重な資産が継承されず失われるリスクが指摘されている。
こうした中、医薬品業界では従来の後発品業界内での協業に留まらず、より包括的なアプローチが求められている。すなわち、先発医薬品の特許満了を起点とした特許満了医薬品(特許が満了した先発医薬品+後発品)を1つの大きな市場として捉え、同市場に携わる全てのステークホルダーが互いに連携し、持続可能な産業構造に改革していく必要性が高まっているのが現状だ。
そこで東和薬品は、先発医薬品企業、後発品企業、医薬品製造受託企業が相互に連携した協業体制の構築に取り組み、将来にわたり治療上必要とされる医薬品を持続的に安定供給するエコシステムを構築し、社会全体の健全な循環モデル実現に着手した。
今回の大塚製薬との協業は、この構想の実現への第一弾として、特許満了医薬品市場の持続可能な成長と発展に大きく貢献するもので、同社が目指す「長期必須医薬品の安定供給エコシステム構想」の実現に向けての重要な第一歩を踏み出す。

