セルアクシアと細胞治療薬製造効率と細胞機能の向上で実証実験契約締結 FRONTEO

 FRONTEOは7日、セルアクシア(本社:東京都)とFRONTEOのAI創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory(DDAIF)を活用し、セルアクシアが開発を進める細胞治療薬の製造効率および細胞機能向上を目的としたPoC(実証実験)契約を締結したと発表した。
 セルアクシアは、難治性・希少疾患を対象とした細胞治療薬(再生医療等製品)の開発を行うバイオベンチャー企業。PoCでは、FRONTEOの「DDAIF」を活用し、セルアクシアが保有する革新的なDC技術の改良を通じて、新規細胞治療薬の製造効率や品質特性の向上に寄与する知見の創出に取り組む。
 FRONTEOは、自社開発の特化型AI「KIBIT(キビット)」を活用し、既知の文献には記載されていない疾患と標的分子の“未知の関連性”を非連続的に発見する独自技術を有している。これらを技術基盤とした「DDAIF」は、新規性の高い標的分子候補の抽出や疾患メカニズムの解析に強みを持ち、大手製薬企業を中心に導入が拡大している。
 セルアクシアは、ある細胞を別の細胞へ直接転換する独自の「ダイレクトコンバージョン(DC)技術」を活用して、難治性・希少疾患を対象とした細胞治療薬の開発を進めるバイオベンチャー企業である。
 5つの国公立大学等との共同研究実績に加え、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)の「再生医療産業化に向けた評価基盤技術開発事業」に採択されるなど、技術的評価も高く、複数の開発パイプラインを軸に画期的な細胞治療薬の実用化を目指して研究開発を進めている。
 細胞治療薬は人工物の医薬品と異なり品質が不均質なため、一般的に製造工程の品質管理の難しさや製造ロット落ち等による製造コスト高が実用化の課題とされている。
 一方、セルアクシアのDC技術を活用した細胞治療薬は、シンプルな製造管理で効率的に目的細胞(骨芽細胞等)が得られるため、製造コストの最適化が可能である。この優れた細胞治療薬製造法であるDC技術に関する今回の協業は、DC技術の更なる進化、すなわちDC高効率化による採算性の更なる向上および目的細胞の性能向上に繋がることが期待される。両社の技術と知見を融合することで、細胞治療の発展およびアンメット・メディカル・ニーズの解消に貢献することを目指す。

◆豊柴博義FRONTEO取締役/CSOのコメント
 FRONTEOは、独自のAIと解析技術により、世界でまだ論文に報告されていない疾患と標的分子の関係性や疾患メカニズムを、文献情報から非連続的に見出すことを強みとしている。
 これらの技術を細胞治療薬の製造効率や細胞治療薬の機能向上に活用することは、DDAIFにとって新たな応用領域への挑戦であると同時に、多様なモダリティや疾患領域に対して適切な解析手法を確立するうえで重要なステップである。
 こうした取り組みは、医学の発展やアンメット・メディカル・ニーズの解消、さらには産業応用の観点からも大きな意義を持つと考えており、本PoCの成果に期待している。

◆関誠セルアクシア 代表取締役社長氏のコメント
 DC法とは、細胞のゲノムの「遺伝子配列」は変えずにクロマチン構造を変化させる(エピゲノムの状態を変える)ことで、その細胞を別の細胞の表現形(フェノタイプ)に転換する技術である。この現象と概念は学術的に広く知られている。
 DC技術の高効率化や細胞の高機能化に関する条件を見出すには、DCに寄与するエピゲノム因子を解析するための細胞基礎実験によるDCメカニズムの解明研究が欠かせないが、これには膨大な時間と労力と有能な研究者が必要となる。
 FRONTEO社の持つAI創薬サービス「DDAIF」は独特のAIと解析技術で研究者が思いつかない発見を短期間でゼロから創出できる可能性があると期待している。今回の協業により、当社が保有するDC技術のアップデートにチャレンジする。

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