芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍治療剤「エルゾンリス」 製造販売承認取得 日本新薬

 日本新薬は22日、「エルゾンリス」(タグラキソフスプ、遺伝子組換え製剤)について、芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)を効能・効果として厚労省より製造販売承認を取得したと発表した。
 同剤は、日本新薬が2021 年 3 月にメナリーニ・グループより導入し、開発を進めてきた。BPDCNは、白血病とリンパ腫の両方の性質を有し、特徴的な皮膚病変とがん細胞のリンパ節や骨髄への浸潤を伴う、まれな進行性の血液がんである。
 国内で承認された治療薬はなく、リンパ腫や急性白血病に準じた治療が行われているが、生存期間中央値は1年未満と短く、新たな治療薬が望まれている。
 同剤は、CD123 という細胞表面タンパク質を標的とする画期的な治療薬であり、BPDCN細胞に過剰発現しているCD123に特異的に結合してタンパク質合成を阻害し、アポトーシスを誘導することによりBPDCN細胞を死滅させる。
 同剤は、海外で実施された未治療および再発・難治性BPDCN患者に対するP1/2試験の結果に基づき、米国では2018年12月にBPDCN を適応症として、欧州では2021年1月に未治療 BPDCNを適応症として承認されており、すでに40以上の国で承認を取得している。
 今回の製造販売承認は、日本新薬が実施した国内BPDCN患者を対象としたP1/2試験およびメナリーニ・グループのステムライン・セラピューティクス社が実施した海外P1/2試験などの成績に基づいている。

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