後天性眼瞼下垂治療剤「アップニーク」 国内で製造販売承認取得 参天製薬

 参天製薬は22日、後 天性眼瞼下垂治療剤「アップニーク」(一般名: オキシメタゾリン塩酸塩)について、同日付で国内における製造販売承認を取得したと発表した。
 眼瞼下垂は、先天性と後天性に分類され、後天性眼瞼下垂には様々な要因がある。その多くは腱膜性であり、眼瞼挙筋腱膜の退行 性変化によって生じ、リスク因子としてコンタクトレンズの長期装用などが報告されている。
 上眼瞼が下がることにより眼の外観的変化を伴い、上方視野の欠損や肩こり、頭痛、疲労感などの様々な症状を引き起こす可能性がある。現在、眼瞼下垂に対する治療は外科手術に限られている。
 同剤は、 外科手術以外の非侵襲的な治療法として、後天性眼瞼下垂を改善する日本初の治療薬で、上眼瞼を挙上させることにより、症状を改善する可能性がある。
 同剤の有効成分であるオキシメタゾリンは αα1及び αα2受容体のアゴニストとして作用することが報告されている。同剤は、上眼瞼の挙上に関わる筋組織のうち、ミュラー筋のα受容体に作用して収縮させることにより、上眼瞼を拳上させる。
 国内でのP3相プラセボ対照無作為化二重遮蔽比較試験において、後天性眼瞼下垂の患者を対象に、同剤の1日1回点眼の有効性及び安全性を評価した。
 主要評価項目である投与 開始14日後のMRD-1 (Marginal Reflex Distance-1、瞳孔中心と上眼瞼縁の距離)の投与から2時間後のベースラインからの変化量において、同剤1日 1回点眼のプラセボ点眼液に対する優越性が検証された。
 また、探索的解析では、本剤点眼後8時間以上にわたる MRD-1の改善が認められた。なお 安全性については、同剤点眼群で眼瞼そう痒症 112例中 1例) が認められたが、 重篤な副作用および投与中止に至った副作用は認められなかった。

◆ピーター・サルスティグ参天製薬チーフ メディカル オフィサーのコメント
 眼瞼下垂は、外観的変化のみならず、視野の狭窄によって患者さんのQOLを低下させる。また、米国以外の地域 においては 、現状、承認されている眼瞼下垂の治療法は外科手術に限られる。
 参天製薬は、これまで点眼による治療法の無かった眼疾患領域での研究開発を推し進めている。本剤はその一例であり、眼科領域に特化したグローバル製薬企業として、患者さんの多様なニーズに応えていく。

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