クリニジェンは22日、「プリミーフォート経腸用液」について、製造販売承認を取得したと発表した。
対象は、極低出生体重児等の体重増加不全を呈する新生児及び乳児の栄養管理。
プリミーフォートは、米国プロラクタ バイオサイエンス社によって開発された、人乳由来の濃縮、低温殺菌処理された液体の母乳強化剤である。米国で2006年に登場以来、2025年11月時点で欧米や中東の19ケ国で栄養製品として販売されており、世界で12.5万人を超える極低出生体重児等の栄養管理に使用されている。
今回、極低出生体重児(VLBW)等の栄養管理を目的とした人乳由来母乳強化剤の医薬品として本邦初の承認となる。
極低出生体重児等における栄養管理の重要性出生体重1500g未満で生まれたVLBW児等を預かる新生児集中治療室(NICU)では、適切な栄養管理が極めて重要である。VLBW児は消化管機能が未熟である一方、脳神経系や筋骨格系の発達が急速に進むため、高いエネルギーおよびタンパク質需要を必要とする。
そのため、出生早期は静脈栄養と経腸栄養を適切に導入し、十分なカロリーおよびタンパク質を確保することが重要である。クリニジェンは、母乳栄養強化剤に関する国内のアンメットメディカルニーズに応えるべく、プリミーフォート経腸用液の開発元である米国プロラクタ バイオサイエンス社と共同開発し、人乳由来初の母乳強化剤の承認取得に至った。
◆水野克己日本新生児成育医学会 理事、日本母乳哺育学会理事長、日本周産期新生児医学会理事のコメント
2017年に母乳バンクを立ち上げて以来、新生児の栄養環境の改善に努めてきた関係者として、人乳由来の母乳強化剤の導入は大変意義のあることであり、感慨深い。国内で少子化が進んでいるなか、すべての赤ちゃんが健やかに育つ環境を整備することは喫緊の課題なので、少しでも多くの皆さんに育児を見守ってもらいたいと思う。
◆エドワード・ライトクリニジェン代表取締役社長のコメント
クリニジェンは、クリニジェングループのネットワークを通じてグローバルな医薬品情報と日本国内のギャップを観察しながら、必要な医薬品の供給を進めている。今回、プリミーフォート経腸用液の承認により、国内の極低出生体重児等の栄養管理の選択肢を広げることに貢献でき、大変光栄に思う。クリニジェンは引き続き日本のドラッグラグやドラッグロスの解消に努めていく。
◆スコット・ A ・エルスタープロラクタ バイオサイエンス社CEOのコメント
今回、度世界で初めてプリミーフォート経腸用液が医薬品として日本で承認され、大変うれしく思う。欧米ではすでに厳しい製造工程管理を経て栄養食品製品として展開している。日本市場においても製品の安定供給に邁進していく。


