ウパダシチニブ 円形脱毛症治療薬で国内適応追加承認申請 アッヴィ

 アッヴィは15日、ウパダシチニブについて、円形脱毛症(脱毛部位が広範囲に及ぶ難治の場合に限る)を対象とした治療薬として、適応追加承認を申請したと発表した。
 ウパダシチニブは 1 日 1 回経口投与する低分子のヤヌスキナーゼ(JAK) 阻害剤で、現在、日本においてアトピー性皮膚炎を含む8つの適応症に対する治療薬として承認されている。
 円形脱毛症は、頭部、顔(眉毛、睫毛など)、身体に非瘢痕性の脱毛を引き起こす炎症性自己免疫疾患である。どの年齢でも発症する可能性があるものの、患者の40%は20歳までに発症し、全体の80%以上は40歳までに発症すると報告されている。
 全人口の約2%が生涯で1回以上罹患するとされ、国内での円形脱毛症の有病率は近年増加傾向にある。円形脱毛症は、自尊心や自信の低下、対人関係への悪影響を及ぼす。
 特に、他者から見える部位に脱毛がある場合、患者さんの幸福感(ウェルビーイング)、人間関係、生活スタイル、さらには仕事の生産性に深刻な影響を及ぼす可能性がある疾患だ。とりわけ成人および青少年の患者は、不安やうつ病の発症率が高いことも報告されている。
 現時点で、治療法として、副腎皮質ステロイドの外用療法や局所注射が行われている 。また、重症の患者には、副腎皮質ステロイドやJAK阻害剤の全身療法も行われているが、円形脱毛症の根治療法や予防法はない。
 また、大部分の患者が再燃を経験することが報告され、さらに再燃後の治療は効果が低下する場合もある。こうした状況から、重症の円形脱毛症患者に対し、有効な全身療法への高いアンメットニーズが存在すると考えられる。
 アッヴィはこうした状況を背景に、ウパダシチニブの円形脱毛症に対する適応追加を申請した。今回の申請は、第3相UP-AA臨床試験プログラム(M23-716試験)の結果に基づくもの。
 UP-AA臨床試験プログラム(M23-716試験)は、成人および青少年の重症(頭部の脱毛面積が 50%以上)の円形脱毛症患者を対象として、ウパダシチニブの有効性および安全性を評価する、P3相、国際共同、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照試験である。同試験は4つのStudy(Study 1,Study 2,Study 3およびStudy 4)で構成されており、日本も参加している。

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