早期アルツハイマー病治療剤「レケンビ」 皮下注製剤を日本で承認申請 エーザイ

 エーザイは28日、抗 Aβプロトフィブリル抗体「レケンビ」(一般名:レカネマブ)について、皮下注製剤(皮下注オートインジェクター:SC-AI)を日本で承認申請したと発表した。
 同申請は、アルツハイマー病(AD)による軽度認知障害(MCI)および軽度認知症(総称して早期AD)当事者を対象としたP3相Clarity AD試験の18カ月間のコア試験に続く、非盲検長期継続投与試験(OLE)における複数の皮下投与サブスタディ等に基づくもの。
 同サブスタディにおいて、週1回のSC-AI 500mg投与は、2週に1回の静脈(IV)投与と暴露量の同等性が確認され、臨床上およびバイオマーカー上の効果も同様であることが示された。皮下投与は、IV投与と同様の安全性プロファイルを示し、全身性の注入/注射に伴う反応の発現率は2%未満であった。
 承認されれば、「レケンビ」の治療において、現行の医療機関での2週に1回のIV投与に加え、新たな選択肢として、在宅でのSC-AI 500mg(250mg×2本)による週1回投与が可能となり、当事者とケアパートナーが在宅で投与を行う治療選択肢が拡大する。
 SC-AIによる投与は、250mg1本あたり平均15秒で完了する。SC-AIによって、IV投与で必要な医療プロセス(点滴静注のための準備、投与に関わる看護師によるモニタリング等)が削減でき、AD治療パスウェイ全体を効率化する効果が期待される。
 ADは、Aβおよびタウを病理上の特徴とし、その病理変化がAβプラーク沈着前に始まり、プラーク除去後も継続する進行性の神経変性プロセスを有する疾患である。レケンビは、プロトフィブリルとアミロイドプラークの双方をターゲットとする唯一のAD治療剤で、その後のタウ蓄積にも影響を与えることが注目される。レケンビは、現在51の国と地域で承認されており、9カ国で申請中である。

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