ウパダシチニブ 尋常性白斑対象P3相ピボタル試験で良好なトップライン結果 アッヴィ

 アッヴィは27日、ウパダシチニブについて、尋常性白斑対象P3相ピボタル試験で好結果を得たと発表した。
 成人および青少年の非分節型白斑(NSV)患者を対象とした同一のデザインで実施している2つのP3試験(Study 1、Study 2)において良好なトップライン結果を得たもの。
 これらの試験では、当該患者を対象として、ウパダシチニブ(15mg、1日1回投与)の有効性および安全性を評価した。NSVは、尋常性白斑の中で最も一般的な(90%以上の患者にみられる)タイプで、身体の両側に左右対称の白斑が現れることが特徴である。
 Total Vitiligo Area Scoring Index(T-VASI)は全身の色素脱失範囲を評価する指標であり、一方、Facial Vitiligo Area Scoring Index(F-VASI)は、顔面の色素脱失範囲を評価する指標である。顔面は、最も目立つ部位であり、NSVと共に生きる人々にとって精神的かつ社会的な影響が大きい部位だ。
 2つの試験ともに、ベースライン時点で約70%の患者がT-VASIスコア10超を示した。いずれの試験でも、ウパダシチニブ群はプラセボ群に比較して、48週時における主要評価項目(co-primary endpoints)であるT-VASI 50(T-VASIスコアのベースラインから50%以上の減少)およびF-VASI 75(F-VASIスコアのベースラインから75%以上の減少)の双方を達成した。
 また、両試験で、ウパダシチニブ群ではプラセボ群と比較して、48週時のF-VASI 50を含む順位付けした主な副次評価項目において統計学的に有意な差が認められた。
 ウパダシチニブの安全性プロファイルは、両試験ともに、承認済みの適応症で認められた安全性プロファイルと概ね一致していた。また、新たな安全性上の懸念は認められなかった。
 2つの試験ともに、48週時のウパダシチニブ投与群で特に高頻度に認められた試験治療下で発現した有害事象(TEAE)は、上気道感染、ざ瘡および上咽頭炎であった。
 Study 1では、ウパダシチニブ15mg群およびプラセボ群でそれぞれ3.9%および4%の患者に試験治療下で発現した重篤な有害事象(TESAE)が認められた。
 Study 2では、ウパダシチニブ15mg群およびプラセボ群でそれぞれ2%および1%の患者にTESAEが認められた。両試験において、主要心血管事象(MACE)および静脈血栓塞栓症(VTE)と判定された患者は認められなかった。
 悪性腫瘍は3件報告され、Study 1およびStudy 2の両プラセボ群で1件ずつ(各1%)、Study 1のウパダシチニブ15mg群で1件(0.5%)が報告された(生殖器腫瘍)。
 両試験においてウパダシチニブ投与群で死亡は報告されなかった。Study 2のプラセボ群で1件の死亡が報告された。

◆Kori Wallaceアッヴィvice president兼global head of immunology clinical development(M.D.,Ph.D.)のコメント
 尋常性白斑は、単なる皮膚疾患ではない。患者さんの自信、アイデンティティおよび日常生活に深刻な影響を及ぼし得る慢性自己免疫疾患である。尋常性白斑において、色素再沈着を得るために承認されている全身薬物療法はない。
 これらのP3試験結果は、患者さんへの支援と革新的ソリューションを提供するために免疫領域におけるポートフォリオを拡大するというアッヴィの取り組みを象徴する重要なマイルストーンである。

◆Thierry Passeronコート・ダジュール大学皮膚科教授兼チェア(M.D., Ph.D.)のコメント
 多くの尋常性白斑患者さんがたどる経過には、不確実性や失望が伴い、全身治療薬がないことで特徴づけられる。今回の良好な結果は、原因となっている炎症を標的とすることで、目に見える成果を得られる全身治療の選択肢を提供できる可能性を示している。

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