「ユプリズナ」 日本でIgG4関連疾患再燃抑制の適応追加承認取得 田辺三菱製薬

IgG4関連疾患治療薬としては日本初の承認

 田辺三菱製薬は20日、抗CD19モノクローナル抗体製剤「ユプリズナ」(一般名:イネビリズマブ、遺伝子組換え)について、同日、IgG4関連疾患の再燃抑制の追加効能の承認を厚労省より取得したと発表した。同剤は、本邦におけるIgG4関連疾患の治療薬としては初の医薬品となる。
 IgG4関連疾患は、複数の臓器で腫大、結節・肥厚性病変や線維化を伴う進行性の疾患であり、寛解と予測不能な再燃を繰り返すことが特徴だ。
 症状の有無にかかわらず、永続的な臓器障害を引き起こす可能性がある。B細胞はIgG4関連疾患の発症機序において中心的な役割を果たし、CD19発現(CD19+)B細胞が炎症および線維化プロセスを促進して、疾患活動性に寄与する他の免疫細胞と相互作用すると考えられている。IgG4関連疾患の正確な発症機序は不明であるが、B細胞、特にIgG4陽性の形質芽細胞や形質細胞が主な要因である可能性が示されている。
 今回の適応追加承認は、ユプリズナの導入元であるアムジェン社と共同でIgG4関連疾患を対象に実施したP3相国際共同治験(MITIGATE試験)に基づくもの。
ユプリズナは、基礎疾患の進行に関与する形質芽細胞および一部の形質細胞を含む自己抗体産生CD19陽性B細胞を標的として、持続的に枯渇させるヒト化モノクローナル抗体(mAb)である。患者は、初回投与の14日後に2回目の投与を受け、以降初回投与から6ヵ月ごとに1回の投与を受ける。
 IgG4関連疾患の有病率は全世界で10万人中5人と推定されている。IgG4関連疾患の典型的な発症年齢は50~70歳であり、病変部位によって異なるが、IgG4関連疾患全体では女性よりも男性での発症が多いという報告がある。
 なお、ユプリズナは日本では2021年に「視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防」を適応症として製造販売承認を取得し販売しており、現在、全身型重症筋無力症の適応追加申請中である。

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